過去ログ - アンリエッタ「サイト卿をしばらくお貸し下さいまし」ルイズ「はああああぁあ!?」
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20:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 01:03:18.35 ID:pG2FZOCP0
タバサ「……被害は?」

トリステイン女王の乱心。
その凶報にタバサは取り乱すことなく、聞くべきことを尋ねるに留めた。

もちろん彼女とて少なからず驚いていた。
トリステイン王国の女王、アンリエッタは堅実な女性だと思っていたし、これまでの関わりの中で乱心する素ぶりなどなかった。

一体あの穏やかな女王に何があったのか。
アンリエッタを凶行に走らせた原因が気になることは確かだ。
しかし、原因よりも乱心による被害を確認することを優先させた。
それがガリア女王としての役割だと、タバサは誰よりも理解していたからだ。

イザベラ「乱心した女王は、トリステイン領内の辺境に位置する伯爵領を制圧。屈服させられた伯爵夫妻は一方的にアンリエッタ陛下の要求を飲まされた模様。幸いなことに、人的被害はまだありませんが……時間の問題かと」

その報告に、ピクリと、タバサは眉を潜める。
聞き捨てならない単語が混ざっていた。

タバサ「……辺境の、伯爵領?」

イザベラ「お察しの通り……かの『英雄夫妻』が治める地であります」

やはり。
となると、気になるのはその『要求』だ。
……嫌な予感がする。

イザベラ「アンリエッタ女王は……『英雄の子』を、ご所望です」

タバサ「ッ!?」

予感は的中した。
タバサは即座に席を立ち、傍らに立てかけていた身の丈以上の長さの杖を掴むと、それでドンッ!と床を鳴らす。

それはもう、突き刺さらんばかりの……床を突き破らんばかりの衝撃であった。

ビリビリと高密度の魔翌力が空気を震わせる。
それに伴い、凍てつくような冷気が、突き立てた杖から放射状に広がり、あっと言う間に執務室を凍りつかせた。

タバサ「……カステルモールをここへ」

凍えるような温度のその声音が、タバサの怒りを如実に示しており、寒さと何よりその恐怖からガチガチと歯を震わせたイザベラは急ぎ、ガリア王国軍の元帥たるカステルモールの私室へと向かうのだった。


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