過去ログ - アンリエッタ「サイト卿をしばらくお貸し下さいまし」ルイズ「はああああぁあ!?」
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28:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 01:27:09.72 ID:pG2FZOCP0
聖戦が終結したのち、エルフとの和睦を推進する女王アンリエッタが自らネフテス国老評議会に出席し、評議会がその切実な懇願を受け入れたことで建設されたこの大使館には、ネフテス国の外交官達が派遣されていた。

彼らは始まったばかりのトリステイン王国との国交を、全く異なる文化や価値観を一つずつ乗り越えながら、軌道に乗せるべく日夜奮闘していたのだが、それでもまだ互いを理解するには時間が圧倒的に足りていないのが現状である。

大使館に訪れる貴族達の相手ばかりしていても、民衆に染み付いた固定概念は消えないのだ。
以下略



29:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 01:31:39.48 ID:pG2FZOCP0
ティファニア「はぁ……今日も疲れたな」

ネフテス国大使館の一室に、そんなくたびれた声と共に、深いため息をつく麗人の姿があった。

ティファニアである。
以下略



30:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 01:34:50.57 ID:pG2FZOCP0
今日もそうして、自分自身の願いと、やるべきことを再確認したティファニアは、明日に備えて休むべく、ベッドに身体を横たえる。

それに伴い、ぷるんと、ありえないほどの質量を持った軟体物質が、ゆったりとしたローブの中でその形を変えた。

仰向けになると重みで窒息しそうになるので、彼女はいつも横向きで眠るのだ。
以下略



31:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 01:37:57.20 ID:pG2FZOCP0
教皇の姿を見るや否や、即座にティファニアは自室に引っ込み、ガウンを羽織って寝巻きを隠した上で、聖下を部屋へとお通しした。

正装に着替えるべきかと迷ったが、こんな夜分にわざわざ訪れるくらいなのだから、急ぎの要件があるのだろうと推察し、結局寝巻きにガウンを纏うだけの中途半端な姿になってしまったのだ。

そんなティファニアにルクシャナは呆れた眼差しを送りつつ、お茶淹れてそれを2人の前に置き、壁際に下がった。
以下略



32:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 01:42:18.09 ID:pG2FZOCP0
ティファニア「だいたい!私に『大使』なんて大役、務まる筈ないじゃないですか!?聖下もそう思いませんか!?」

『世間話』を始めて小一時間。

すっかりヒートアップしたティファニアは、恐れ多くも教皇に対してくだを巻き、盛大に愚痴を喚き散らしていた。
以下略



33:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 01:45:55.44 ID:pG2FZOCP0
自分の能力に自信が持てないティファニアに対し、教皇はしっかりと根拠を示しながら彼女の長所を褒め称える。

すると、ティファニアは満更でもない気持ちになってくる。
意外と自分はこの仕事に向いてるんじゃないかと思ったりなんかしてみちゃったりして。

以下略



34:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 01:48:39.66 ID:pG2FZOCP0
ティファニア「ああ、聖下……私の懺悔を聞いて貰えますか?」

マザリーニ「ええ、もちろんですとも」

教皇の慈悲深さに心打たれたティファニアは、とうとう心の内をさらけ出す。
以下略



35:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 01:50:57.39 ID:pG2FZOCP0
暗く閉ざされたティファニアの心に、一筋の光が差す。
それは、救いの光であった。

ティファニア「聖下が、私を救ってくださるのですか?」

以下略



36:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 01:53:25.26 ID:pG2FZOCP0
マザリーニ「私はしばらくこの大使館に滞在するつもりです。エルフの方々と交流を深め、良き隣人として共に歩みを進められるよう、尽力することが教皇の勤めだと考えております」

そしてマザリーニはその滞在の後、

『大使であらせられるティファニア嬢には、滞在期間中、大変良くして貰った』
以下略



37:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 01:56:52.24 ID:pG2FZOCP0
ティファニア「いろいろとありがとうございました!聖下のおかげで、自分の気持ちに素直になることが出来ました!それでは、行って来ます!!」

マザリーニからアンリエッタが『英雄の子』を求めていると知らされたティファニアは、すぐさま荷造りを済ませ、挨拶もそこそこに、吹っ切れた表現を浮かべて、ド・オニエール伯爵領へ向けて旅立った。

ガリアに派遣した教皇の使いであるジュリオが首尾良く目的を達成していれば、これでかの『英雄夫妻』が収める辺境の地に、ガリア、トリステイン、両国の女王と、エルフと人間の友好の象徴たる大使の3人が集うことになる。
以下略



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