過去ログ - 緒方智絵里「私の特別な、あの人からの贈り物」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/03/29(水) 06:51:45.01 ID:6j4QnxqB0
「…………」
「…………」
二人は向かい合う様に座り、黙々と手に持つ本の内容に目を通していく。
ただただページを捲る時に発するぺらっという音と、店内に流れるBGMだけが、二人の周りを取り巻いている。
これがAであれば、退屈そうに顔を歪ませるだろうが、Sと文香にとってはこれだけでも満足なのであった。
「……ふぅ」
文香は一息吐くと、読んでいた本をそっと閉じる。
中々の厚みのある本ではあるが、長い時間を掛けてそれを読み終えたのである。
そして内容に満足したのか、文香は顔をほっこりと綻ばせる。
「あの……プロデューサーさん……?」
「……はい、何でしょうか?」
文香に声を掛けられたSは、本から視線を離し、顔を上げてから眼鏡の位置を正すと、用件は何かと彼女に尋ねる。
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