過去ログ - ゲドリアン「SRプロ作戦進行中」
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73: ◆kbZmcke3lM[saga]
2017/03/17(金) 02:44:05.07 ID:/7dO6hrSO
---教会の中---

(蝋燭だけが立ったテーブルに茂木とレナが向き合い、静かに教会の天井を打つ雨音だけが妙に大きく聞こえる)

レナ「・・・亜里沙ちゃんがいなくなってから、もう5年も経つのね。」

茂木「・・・。信じたくはないですけどね。」

レナ「当時、私が22で、茂木君が16かぁ・・・それは歳を取ったって感じる訳だわ。」

茂木「俺はあれから、一時たりとも大人になった気はしませんけどね。」

茂木「俺はあの時から、何も変わらない。」

レナ「言葉を返す様で悪いけど・・・茂木君、時には現実を見ないといけない事もあるのよ?」

レナ「帰ってこない人を待ち続けていても・・・茂木君が苦しいだけなのよ?」

茂木「・・・それを決めるのは俺です。」

レナ「この頑固者め。」

茂木「言った筈ですよ・・・俺は大人になりきれていないって。」

茂木「ガキみたいにただ、現実を認めるのを避け続けて・・・足掻いているだけですよ。」

茂木「いいかえれば、自己満足なんですよ。俺の今の生き方って。」

レナ「それで貴方はいいの?」

茂木「俺って不器用なんで・・・一度、心に決めた何かをそう簡単に諦められないんです。」

茂木「だから、心配は有難うございます。明日も俺、仕事なんで・・・ここで失礼します。」

茂木「だから、レナさん・・・この花を亜里沙の所に供えておいてくれませんか?」

レナ「これは・・・?」

茂木「ハハコグサとキンセンカですよ。なんか、綺麗だと思いましてね。」

レナ「茂木君、ちょっと待ちなさい!!」

茂木「じゃあ、俺はこれで・・・!!」

バッ!!(茂木が教会の扉を開け、そのまま嵐の中へと消えていき、車の赤いテールランプだけがそのまま靄の向こうに消えていく)

レナ(茂木君、それじゃ貴方の救いはどこにあるの・・・。)

レナ「亜里沙ちゃん・・・茂木君は貴方にまだ未練たらたらみたいよ・・・。」

レナ「それを埋めてあげられない私も、私か・・・。5年の差って本当・・・難しい、わね・・・。」

(レナがそっと目元を抑えて、静かに嗚咽を漏らす)

---

(茂木が遠くに車を止め、片手で勢いよくハンドルを殴りつけ、クラクションが丘の上に木霊する)

茂木「・・・間違っているのは、分かっているんだよ。でも、信じなきゃ、俺に何が残るっていうんだよ・・・。」

茂木「教えて、くれよ・・・。」ツー(静かに茂木の頬を涙が伝い落ちる)

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