過去ログ - 中野有香「雨上がり、今日は朝から」
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11: ◆vFEWRAh8RU[saga]
2017/03/23(木) 21:43:07.00 ID:feup4BK40

「Pさんは明日朝時間ありますか?」

「朝? 何時かにもよるが、一応出勤する日だからな……」

以下略



12: ◆vFEWRAh8RU[saga]
2017/03/23(木) 21:44:24.31 ID:feup4BK40

「いいんじゃないですか。付き合ってあげましょうよ」と突然出てきたちひろさんが言った。

「ちひろさん! いつの間にそこにいたんですか?」とPさんは驚いた様子で言う。あたしも気づかなかった。

以下略



13: ◆vFEWRAh8RU[saga]
2017/03/23(木) 21:45:30.10 ID:feup4BK40

「じゃあお言葉に甘えさせていただきます。有香、俺は最近運動してないからお手柔らかに頼むよ」

「押忍!」

以下略



14: ◆vFEWRAh8RU[saga]
2017/03/23(木) 21:46:21.02 ID:feup4BK40

 外では今も止みそうにない雨が降り続いている。明日もこの雨が降り続いたら……もしもそうなったらとても残念だと思うけれど、少しホッとする気もした。


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以下略



15: ◆vFEWRAh8RU[saga]
2017/03/23(木) 21:47:30.95 ID:feup4BK40

 結局雨は夜のうちに止んだ。空が晴れると不思議と気持ちまで晴れ晴れとするもので、今のあたしの胸は嬉しさ、楽しさと、ドキドキで埋め尽くされている。この胸のドキドキは走っている時のドキドキとは違う、それを自覚すると余計に鼓動が速まった。
 いつもより少しゆったりとしたペースで走るあたしの隣をPさんが走っている。自分では運動不足だと言っていたけれど、それほど脚が鈍っているようには感じない。あたしよりかなり広めのストライドを取るしなやかな脚を見て妙に感心した。




16: ◆vFEWRAh8RU[saga]
2017/03/23(木) 21:49:30.20 ID:feup4BK40

「しかし、有香は本当に良かったのか?」

「へ? どういうことでしょうか?」

以下略



17: ◆vFEWRAh8RU[saga]
2017/03/23(木) 21:50:29.05 ID:feup4BK40

「いえ、そういうわけではなくて……Pさんとはいつも仕事で忙しい中でしか会っていないので、ゆっくり話す時間が欲しかったのです」

「ゆっくり話す時間、か……それなら、わざわざランニングをすることはなかったんじゃないか? ほら、俺はおじさんだからもうクタクタ」

以下略



18: ◆vFEWRAh8RU[saga]
2017/03/23(木) 21:51:13.35 ID:feup4BK40

「ランニングにしたのは、たぶん恥ずかしかったからだと思います」

「何が?」

以下略



19: ◆vFEWRAh8RU[saga]
2017/03/23(木) 21:52:04.26 ID:feup4BK40

 しばらくしてPさんが口を開いた。

「いつもはどこまで走ってるんだ?」

以下略



20: ◆vFEWRAh8RU[saga]
2017/03/23(木) 21:52:52.20 ID:feup4BK40

「あ、待ってください!」

「待たない! 待ったら負けるもん!」

以下略



21: ◆vFEWRAh8RU[saga]
2017/03/23(木) 21:53:38.69 ID:feup4BK40

 Pさんが花壇の目前まで来て、もう追いつけないかな、と思ったところで突然Pさんが足を止め、うずくまった。

「どうしたんですか!?」

以下略



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