197:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 04:02:41.17 ID:ha7ZcpN9o
再び3……、2……、と、嫌味なまでに猶予を持たせたカウントダウンが始まる。
善子が泣きそうになりながら固めていた覚悟。
聖良の底意地の悪い冗談は、それを無残に、微塵に打ち砕いてしまった。
198:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 04:03:21.16 ID:ha7ZcpN9o
聖良が鋭く発した警句を、穂乃果は扉に開けた穴越しに聞いている。
その傍らにはバタフリー。パタパタと翅を泳がせ、視認されにくい程度の濃度で少しずつ、開けた穴へと“ねむりごな”を送り込んでいたのだ。
ねむりごなが効果を及ぼすのはポケモン相手だけでなく人間にも。
あんじゅとの交戦、ビビヨンの脅威から学んだテクニック。穂乃果は敗戦を糧にできるタイプ!
199:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 04:03:49.40 ID:ha7ZcpN9o
二ヶ月。
洗頭の三幹部、穂乃果の場合は優木あんじゅに敗北してからの二ヶ月。
海未とことりがその人格を大きく変化させ、あるいは深いところで歪曲してしまったように、穂乃果もまた敗北に大きな変化を得ている。
200:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 04:04:36.78 ID:ha7ZcpN9o
穂乃果のバタフリーは悪と対峙するため、穂乃果にとって一つの戦術の要。
人質を取られても能動性を失わず、巻き込みたくない人間を気にせず悪を無力化することを可能とするのが鱗粉。
相手がトレーナーへの攻撃を躊躇わないのなら、こっちもモラルの範疇で最大限の攻撃を!
そんな穂乃果の瞳に意思の光を見たのだろうか、聖良は呼吸を一つ、敵意の深度を今よりも一つ沈めて静謐。
201:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 04:05:07.54 ID:ha7ZcpN9o
善子「……助かっ…た…?」
ゴーストタイプの怪腕、怖気の立つ悪寒から解放され、善子の視界が安堵にくらりと回る。
倒れた善子をルビィが抱きとめ、引きずって花丸の倒れている壁際へと避難する。
202:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 04:05:45.15 ID:ha7ZcpN9o
チゴラスの一撃は効果抜群!
穂乃果の手に加わった新戦力、幼き暴君チゴラスは自慢げ、ヨノワールをふらつかせたことに雄叫びをあげている。
ただ、進化前のチゴラスと進化済みのヨノワールの間では能力差が残っている。
まだ完全な打倒へは至っておらず、聖良は返しの“れいとうパンチ”で弱点を突いて仕留めるべきかを思案する。
203:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 04:06:35.58 ID:ha7ZcpN9o
ダイイチシティで洗頭を目の当たりにした一件をきっかけに、ルビィはトレーナーとしての道のりを少しずつ歩み始めている。
なんだか気恥ずかしくてまだ誰にも、姉にさえ教えていないのだが、実家のジムで少しずつ知識を蓄えていっているところなのだ。
実家のジムには新人トレーナー育成用のシミュレーターが設置してあり、属性相性やポケモンの種類、戦闘の流れなどをゲーム感覚で学ぶことができる。
つい先日、その全カリキュラムをクリアしたばかりのルビィは、ほんの小指の爪ほどの自信を付けていた。自分もちょっとは実戦をこなせるようになってるんじゃないかなぁ?と。
204:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 04:07:06.38 ID:ha7ZcpN9o
手応えを掴みつつ、穂乃果は満を持してエースのリザードを繰り出した。
ホールでの乱戦の中でレベルを少し上げていて、さらにさっき立ち寄った部屋で研究員たちの治療を受けて体力は万全!
やる気満々といった調子で尾の炎も燃えている!
対し、鹿角姉妹。
205:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 04:07:38.97 ID:ha7ZcpN9o
ルビィ「マニューラ!えっと、ええと…」
ルビィはシミュレーターで学んだ記憶を手繰る。
タイプはあく・こおり。
206:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 04:08:15.96 ID:ha7ZcpN9o
言葉通りに偽りなく、穂乃果はくるりと背を向け駆け出した。リザードも一緒に。
理亞「あ、あいつ、本当に逃げたの?」
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