過去ログ - 穂乃果「行くよ!リザードン!」
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455:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:59:39.78 ID:ha7ZcpN9o



黒澤ダイヤは目を閉じている。
呼吸は浅く、しかし乱れてはいない。

登山用のベストが肺を圧迫しないよう、前面のチャックを開いてある。
その下に着ているシャツ、元はおそらく手首までを覆う長袖だったろうそれは途中で丁寧に切り取られ、五分袖の丈になっている。

残っている袖の部分には大量の鮮血に濡れ、乾いて黒くなった跡がある。袖を切り取ってあるのは、傷口と布が血で固着してしまわないようにだ。
露出している腕には包帯が幾重か丁寧に巻いてあり、同様に脇腹などにも包帯、治療の痕跡が。

そんなダイヤの首に指を当てて脈拍を測る英玲奈へ、穂乃果は静かに尋ねる。


穂乃果「あなたが治療したの?」

英玲奈「落ちてきたからな」

穂乃果「なんで…」

英玲奈「せっかくのオフだ、目の前で死なれたのでは寝覚めが悪いだろう」


英玲奈はさらりとそう答え、まだ薄く湯気を立てているカップを飲ませようとダイヤの肩を軽く揺する。
…と、丸みのある何かが体当たりでその手を払いのけた。

鉱物や宝石の体に長い耳を生やしたような姿のメレシー。
どうやらダイヤの手持ちポケモンらしく、そばにふわふわと浮かびながら強い警戒心を見せている。
そんなメレシーの様子に英玲奈は軽く笑み、むしろ少し嬉しそうな表情で呟く。


英玲奈「よほど懐いているらしい。一緒にいたボスゴドラはボールに収めたんだが、メレシーはボールに入ってくれなくてな」

穂乃果「ダイヤさん、優しい人だから」

英玲奈「生い立ち上、私は人心の機微というものがわからない。だが、ポケモンに好かれている人間は好きだ」

穂乃果「生い立ち…って、どんな?聴きたいな」

英玲奈「断る」


スパリと、にべもなく拒否。


英玲奈「自分のことを話すのはどうにも苦手だ。ツバサやあんじゅは頼まずとも自分語りをするタイプだが…」

穂乃果(気になるなあ…)



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