501:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 07:29:16.29 ID:ha7ZcpN9o
開戦から幾戟かを交え、ことりは奇妙な感覚を抱いている。
これまでにもたくさんのトレーナー戦、血みどろの野試合を経てきたことりだが、そのいずれとも異なる感覚。
どうにも言語化するのが難しい違和…
希の周りには相変わらず、ソルロックとルナトーンが対の軌道で旋回している。
パワージェムの岩弾も周囲を漂っていて、例えるならば複数のファンネルのような。
ことりは考える。
単純な強さだけじゃない。今までのトレーナー戦との違いは何…?
ことり(……まるで、希ちゃん自身と戦ってるみたいな)
寸時、思考の中に違和感の根源を見出す。
ソルロックとルナトーン、浮遊するパワージェム、その全ての中心点が希なのだ。
普通のトレーナーはあくまでポケモンが中心であり、そこに付随するトレーナーはいわば外付けの思考機械。
だというのに、希は違って見える。
希(高めに滞空したまま考え事、ウチの戦闘スタイルを考察してるのかな。勘の良さそうなことりちゃんなら、そろそろ気付くと思うけど…)
ことりの感覚は間違いではない。
戦闘において、希は通常のトレーナーとは違い、指示を出すだけの役割ではない。
使役するポケモンだけに留まらず、希自身もまたサイキッカー。
病院の治癒で見せたテレパス、普段から垣間見せる未来視だけでなく、念力(テレキネシス)、発火(パイロキネシス)、透視(クレアボヤンス)までを使えるのだ。
希(ま、パイロなんて大層な言い方しても、10分ぐらい必死に念じてやっとティッシュを燃やせる程度やけどね?)
そんな調子、本人は自身のサイキック能力について大いに謙遜してみせる。
…が、しかし。
ことポケモンの使役に転用すればその力は大きな効力を発揮する。
ポケモンが“サイコキネシス”などを使う前に、希が自身の念力でうっすらと“力の通り道”を作ってあげる。
それだけで技の威力は飛躍的に向上するのだ。
例えるならば大火を呼ぶ火花、火打ち石のようなもの。
ことり(だとしたら、やっぱり、攻撃しなくちゃいけないのはポケモンだけじゃなくて…)
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