504:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 07:31:41.63 ID:ha7ZcpN9o
ことり「………。女の子同士でもそれは駄目だよ。エチケットがなってませんね、希ちゃん」
すうっと、ことりの瞳から温度が引いた。
悪党との死闘で負けたことはない。だが、攻撃を受けてしまったことも少なくない。
温泉で、穂乃果にも海未にも見せなかった傷の数々。火傷や切り傷や、打撲の跡…
誰にも見られたくないその傷は、ことりが歩んできた血塗られた道と、心の傷とリンクしている。
ことり(倒さなきゃ…)
それは思いを通すために、希を倒すのだという昏い覚悟の瞳。
希(うん、それでいいんよ。やるなら徹底的にやらんとね)
希は無為にセクハラめいた発言をしたわけではない。
温泉での入浴時、ことりがタオルで器用に隠していた戦傷の数々を透視することで、自分がサイキッカーであると明確に示してみせたのだ。
手札を提示され、ことりの中にあった考察、灰色の疑惑は確信へと変わる。
希を攻撃しなくては勝ち得ない。ことりはそれをはっきりと理解した。
希は、全力の死闘に活路を見出すつもりでいる。
傷み、軋み、壊れかけていることりの心を修復するための糸口を探している。
希(だって、可哀想だよ。旅立ったその日に悪に絡め取られて、夢も希望も捻じ曲げられて…)
ことり「ごめんね、希ちゃん。……ちょっとだけ、壊します」
希「いいよ、おいで。ウチがこの戦闘で…ことりちゃんが抱えてる膿を出し切ってみせるから」
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