過去ログ - 穂乃果「行くよ!リザードン!」
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670:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 14:37:42.88 ID:ha7ZcpN9o
身を裂くような冷気と風に挫けず、にこは再びフライゴンにしがみついている。
左肩をその背へぶつけ、強引に肩を入れてどうにか復帰。

ビルで言えば五十階ほど、高高度へと辿り着いたところで上昇を水平に。
どうにかではあるが、絵里からの攻撃を完全回避してみせた。

追ってきているはずのツバサが姿を見せないのが不気味ではあるが、見えない奴を気にしながら戦える相手ではない。今は絵里に集中!


絵里「さすがにこね」

にこ「あーもう、敵に回ると厄介すぎ…!」


見下ろした都市一帯はすっかり凍てついていて、分厚い氷の中にネオンサインが明滅。
零音に動きを止めた街は無音、氷結の軋りだけが不気味に響鳴を。

にこは眼下、ビルの屋上、身を震わせながら、不安げに見上げる人々の影を見る。
気付いてみれば、都市の随所に逃げ遅れた人々の姿がある。
誰もが寒そうに身を震わせながら、一人で、数人で、あるいはポケモンと身を寄せながら寒さに耐えている。

その姿から得るのは一つの確信。


にこ「フン。絵里のやつ、根性見せてんじゃない…」


狂気に苛まれながらも、無辜の一般人だけは凍結の中に巻き込んでいない。

自分のものではない暴力衝動に自我を押し込められて、その状態でなおポケモンたちへと非武装の一般人だけは凍らせないようにと慎重な指示を下しているのだ。

(だったらにこも見逃しなさいよ!)

そう叫びたくなるが、きっと抵抗のキャパシティをどこに割り振るかの問題なのだろう。
全てを自己決定できるような余裕はとてもなくて、ならば優先度の問題。

にこに痛烈な攻撃を浴びせ続けているのは、(きっとにこなら耐えてくれる)という親友への信頼と親愛の証でもある。

そんな絵里の頑張りに、だったらどうにかしてやりたいのがにこの情。
フライゴンを反転させ、凍てついたビル壁を尾で叩きつける。
氷と鉄筋コンクリートとガラスを一緒くたに砕き割り、重力に従って下へと向かう破片たち。


にこ「フライゴンっ!!“ストーンエッジ”!!」

『フラアアッ!!!』



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