799:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:28:29.17 ID:ha7ZcpN9o
チート、いわゆる反則。
希が口にしたその言葉は、あながち単なるボヤキと言うわけでもない。
果南(楽しい?カイオーガ。いつもなかなか全力は出させてあげられてないもんね)
『ギュラルルル…』
希のようなテレパスではないが、果南とカイオーガの間には強い絆がある。口に出さずとも思いは通じる。
海に愛されて育った果南と、海の覇者であるカイオーガと、その相性はすこぶる良好。
全力を出させてあげられていない。
果南がそう言うのは、四天王として日々繰り返す公式戦での話だ。
カイオーガがその本領を発揮すれば、公式戦のフィールド全域をすぐさま水で満たすことは容易い。
だが、逆に狭すぎる。
水積の範囲を指定できるカイオーガだが、公式戦で少しでも力加減を間違えれば相手のトレーナーまでを水で飲み込んでしまう。
それはトレーナーへの攻撃と見做され、その場で即座に反則負け。
つまり、極度に加減しなければならない。窮屈な思いをさせてしまっている。
カイオーガというポケモンにとって公式戦の場は、金魚鉢にクジラを飼っているような物なのだ。
ポケモン博士、真姫はそれを理解している。
地上から見上げつつ、初めて目にするカイオーガの全力に感嘆の息を漏らしている。
真姫「強い、本当に。あとは…果南が本気を出すだけね」
その言葉が聞こえたわけではないが、タイミングを同じくして果南は腰のボールへと手を伸ばしている。
両手の五指を鷲のように拡げ、器用に掴んだのは…残る五つのボール全て!
水中へとボールを浮かべ、手を水平に薙いで一息に開閉スイッチを叩いている。
果南「さ、出ておいで!みんな!」
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