933:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:20:23.15 ID:ha7ZcpN9o
理亞「ごめんなさい…ごめんなさい…私が足を引っ張ったせいだ…」
聖良「大丈夫。落ち着いて、理亞」
追い詰められたように、窮した表情で、理亞はひたすらに謝罪を繰り返す。
責任を感じている。バイバニラをきっちりと抑えてムクホークを落とさせなければ、聖良はきっと優位を保てていた。
理亞「姉さま…私を見捨てないで…私を置いていかないで…捨てないで…!」
聖良「……理亞…」
両腕を回し、強く抱きしめる。
自分よりも少し引き締まっていて、自分よりも随分と華奢な体。
その芯はガタガタと震えていて、忍び寄る敗北、その先の恐怖に歯が小さく鳴っている。
冷静に見れば、まだ戦場は五分だ。
刑務所の環境に耐え、脱獄からすぐさま任務へと就けているように、安定したメンタルは聖良の特長の一つ。
メガガルーラに算段を狂わされての混乱はあったが、既に気を持ち直している。
だが、理亞の心はガラスのように脆い。
あの日、首を括って自死した両親を最初に見つけてしまったのは理亞だ。
両親は優しい人だった。けれどそれは弱い優しさだった。
自分たちを置いて死への逃避。生きていくための手段を与えることもなく…結局のところ、二人は見捨てられたのだ。
幼い理亞の心はその時からずっとひずんでいて、役に立てないことを、手を離されることを極度に恐れている。
聖良「大丈夫よ…大丈夫。絶対に、理亞のことは守るからね」
理亞「姉さま…姉さま…っ」
自分は両親とは違う。強くいよう。
この子を守らなくてはと、改めて思う。
闇を歩いてきたのも、幾度となく手を汚したのも、味わった苦痛も、全ては理亞を守るため。
黒塗りの不幸の中にも、自分は妹よりも少しだけ長く親からの愛を受けられている。
なら、理亞に足りていない愛は自分が分け与えよう。そう考えている。
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