過去ログ - 勇者「救いたければ手を汚せ」その1
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162:名無しNIPPER[saga]
2017/03/30(木) 00:40:06.75 ID:xRjufmsCO

【憂う】

「国の意向に異議を唱えると言うのかね?」

「大尉、君は実に優秀だ。多くの異形種を討伐したのも記憶に新しい」

「しかしながら、それは計画以前の話だ」

「我が国が現在欲しているのは、平和ではなく他国を圧倒する兵器……」

「異形種との果てのない不毛な戦を止め、次代を見据えている。それのどこに不満がある」

「各国は異形種討伐に躍起になっている。先見のない愚かな連中だ。だが、我が国は違う」

「異形種を兵器として利用し、抑止力として扱うことで、世界を平和に導こうとしているのだ」

大尉「しかしーー」

「大尉、いい加減にしたまえ。良い機会だ、少し暇をやろう。久々に羽を伸ばすといい」

「都の有様を見れば、我が国が如何に正しき判断をしたか分かるはずだ。さあ、もう行きたまえ」

大尉「……失礼します」ザッ

ザッザッザッ…ガチャッ…バタンッ…

「……行ったか。まったく、青臭い思想を聞かされる身にもなって欲しいものだな」

「どうなさいますか?」

「消せ。軍の中に奴を慕う輩は多い、後々に動かれると面倒だからな」



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