過去ログ - 最初のファンから、駆け出すキミへ(小日向美穂If小説)
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16:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/03(月) 00:25:09.53 ID:3RRQd8Ra0
淳が空港に着くと、鈴木と共にスーツケースを引いた美穂が待っていた。

「お待たせ。」

「あっちゃん。」

「なんだか変な感じだよ、家族が一人居なくなるみたいでさ。」

「うん……」

「これから都会で寮生活……そしてアイドルに。しんどい事も多いだろうけどお前ならやれるって信じてるからな。なんてったって熊本の女だ。」

「うん……」

「未来で沢山のファンが待ってる、行ってこい。」

「……あっちゃん、私、あっちゃんの事が――」

「言うなよ。」

「昔からずっと――」

「言うなって言ってんだよ。」
静かな、それでいて覇気のある淳の声に美穂は押し黙る。


嬉しい。美穂も同じ気持ちで居てくれた。でも、だからこそ強く、強く胸を締め付けられる。


でもこれは俺の幼馴染の小日向美穂の、そして未来で待ってる「アイドル小日向美穂」のファンの為だから――



涙で視界を滲ませながら。


込み上がる嗚咽を堪えながら。


必死で笑顔を作り、伝える「幼馴染」としての最後のメッセージ。


「美穂。やっぱ、お前は最高の幼馴染だよ。頑張れ。」


「………………うんっ。」


――美穂は、笑ってくれた。



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