過去ログ - 最初のファンから、駆け出すキミへ(小日向美穂If小説)
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名無しNIPPER
[sage saga]
2017/04/03(月) 00:25:35.91 ID:3RRQd8Ra0
坂を下り終わり、桜並木の下で自転車を止める。
馴染みの道を一人で歩く。あれから、一度だけ美穂が公衆電話で電話を掛けてきた時があった。慣れない都会での生活や寂しさ、社会人としての責任や、給料を貰って人前でパフォーマンスする事のプレッシャー、それらを美穂は吐き出すように淳に話した。そして、ひとしきり話し終えると
『じゃあ、あっちゃん達ファンの為に頑張るね!』と。
『アイドル人生全うしたら、いつでも帰ってくればいいよ。その時は幼馴染として待ってるから。』
『……ふふっ。いつになるかな?長生きするつもりだよ?』
ひゅうっ。
強い風が吹き、ふと見上げると桜の花びらが空高く待っていた。
「美穂。お前は今、ここからでも分かるくらい輝いてるよ。」
舞った花びらが、どこまでも届くような、そんな気がした。
fin
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