過去ログ - 後輩「また死にたくなりましたか?」
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10:名無しNIPPER[saga sage]
2017/04/03(月) 18:01:09.32 ID:VFCWYClv0
◇
「今週で学校は最後だぞ。最後の週だからってお前ら油断するなよ 」
担任がSHRでそんなことを言った。
11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/03(月) 18:01:44.83 ID:VFCWYClv0
◇
放課後になり、バイト先へと向かう。バイトはコンビニで、家と学校の中間地点、よりちょっと家の近くにある。
週4勤務だとあまり稼げるわけでもないのだけれども、なんだかずっと家に居てもなにもすることはないし、なにより親にずっと頼っているのもな……と思い、高1の夏から働き始めた。
12:名無しNIPPER[saga sage]
2017/04/03(月) 18:02:25.10 ID:VFCWYClv0
「いや、できてないです。夏休みの俺のシフト見ましたよね? 」
「あー、見たよ。聞いてみただけ、世間話の一環だよ。きみ、なかなかモテそうだし 」
モテません。関わりのある女子だって、片手で数えることができるほどしか居ない。
13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/03(月) 18:03:31.90 ID:VFCWYClv0
◇
バイトが終わる時間になると、辺りはすっかり夕焼けに染まっていた。
うちのコンビニは、場所のわりに弁当の廃棄が多く、週に何回かは食費も浮くから廃棄を貰って食べることにしている。
しかし、今日はなぜかひとつも廃棄はなかった。
14:名無しNIPPER[saga sage]
2017/04/03(月) 18:04:22.18 ID:VFCWYClv0
「だーれだ」という声がするが、こんなことをするのは知り合いのなかでこいつしかいない。
「お前か」
手を外され、そいつが立っている方を見ると、やはりそこには後輩の「なぎさ」がいた。
15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/03(月) 18:04:56.73 ID:VFCWYClv0
「そういえば、先輩とたまにここで話すようになって、もう3年くらいですか? 」
言われてみると、確かにこいつとここで初めて会ったのは、中3の夏くらいだった。
あの時はたしか、家に帰るまでに時間を潰さなくてはいけなくて、下校途中に寄り道をしたくなって、ここでぼーっとしようと思っていたら先客がいて、自分と同じ中学校の制服だったから話しかけたんだっけか。
16:名無しNIPPER[saga sage]
2017/04/03(月) 18:05:45.02 ID:VFCWYClv0
買った缶コーヒーを啜りながら、夕焼けと街が綺麗だな……と思っていると、後輩が突然立ち上がった。
「あの、先輩。夏休みの間、バイトしようと思いまして、先輩と同じところって大丈夫ですか? 」
「ほう、人員的には空いていると思うけど、なんでまた 」
17:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/03(月) 18:06:13.83 ID:VFCWYClv0
店にとっても都合がいいし、自分にとっても暇なときの話し相手という点で都合がいいので、二つ返事で返しておいた。
「じゃ、店長に言っておくから、今週中に面接受けてね 」
「はい、わかりました。よろしくお願いします 」
18:名無しNIPPER[saga sage]
2017/04/03(月) 18:07:08.16 ID:VFCWYClv0
◇
帰宅して、自分の部屋に入る。
19:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/03(月) 18:07:40.33 ID:VFCWYClv0
◇
早く寝た日は、必然に早く目が覚める。窓からの朝陽。カーテンを閉めるのを忘れていた。
部屋にいても二度寝するだけなので、リビングに降りた。
20:名無しNIPPER[saga sage]
2017/04/03(月) 18:08:13.27 ID:VFCWYClv0
多分、あれだな。養われたい願望。待ってたらご飯が出てくる。さいこう。いや、いつもだけどさ。
なんかどこかから養ってくれる許嫁とかお嬢様だとかが現れないかな、と少し考えたが、どう考えてもギャルゲ並みの妄想だった。
なにより、今とそんなに変わんなくねと思った。あれ、俺恵まれてる?
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