過去ログ - ウルトラマンオーブ −Episode EX−
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名無しNIPPER
[sage saga]
2017/04/07(金) 19:02:09.45 ID:Rq6PUXgG0
★
ガイ「――んんっ」
森を抜けると眩しい光が目に飛び込んできて、ガイは帽子を目深に被り直した。
斜面の下に街並みが広がっている。長屋のような横長の建物が碁盤目のように規則的に並び、くすんだ煉瓦屋根を見せている。
スイスのラ・ショー=ド=フォン。ガイは何年かぶりにこの地を訪れていた。
斜面を下り、森に近い閑静な住宅地を抜けると、中世的な都市の中に投げ込まれる。
石造りの白壁と大きな窓といった建物が多く、どれもこれも似通っていて道に迷いそうになる。
記憶を手繰り太陽の方向を見ながら歩いていると、どうにか目的の場所が見えてきた。
ガイ(おっ)
その建物の前に少女がいた。まろやかなブラウンの長髪を後ろにまとめてポニーテールにしている。
服装はラフなTシャツとライトグリーンの作業ズボンといったところ。昼の日光を浴びながら大きく伸びをしている。
白い腕は健康的な肉付きで、それでいて引き締まっている。ひとつ欠伸をして、それから視線に気付いたようにガイの方を振り向いた。
ガイ「ミラール。久しぶり」
ミラール「……ガイ!?」
大きな青い瞳が見開かれ、それから走り寄ってきた。
爪先から顔まで確認すると、ぱっと笑顔が弾け、勢いよくガイに抱きついた。
ガイ「大きくなったな。いくつになったんだ?」
ミラール「十四。もう八年ぶり」
ガイ「そうか。たった八年で見違えたなあ」
ミラール「『たった』? そのうちまた会えるって言って八年『も』待たされたんだけど?」
口を尖らせるミラールにガイは苦笑いした。
ミラール「まあいいや。おじいちゃんも会いたがってるよ、たぶん。あがってあがって」
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