280:名無しNIPPER[saga]
2017/05/07(日) 16:06:01.56 ID:CjJiPVRq0
一人でしか出会えない場所があり、文字があり、時間があり、思考があり、景色があり。そして最後に、君がいた。
大学生の春 8頁目
合格者(男性:偏差値69)「俺は、俺が好きだ」
男「ただいま」
9号館の建物の裏にまわり、白い機械の下に手を伸ばす。
男「夢みたいというか。夢を毎日描きすぎていたせいで懐かしいというか。不思議な感覚だな」
男「……あれ、なんだろこの感触」
硬貨は見つからず、枯れ葉のような感触だけが手に触り、引っ張ってみる。
男「新聞紙の切れ端じゃん。丁寧に畳まれてるし」
男「って。中に10円が挟まってる。いつの間にか絡まっちゃったのかな?」
男「遠縁でも、関係なかったな」
10円玉の硬貨は置いた時のまま、変わらず自分の合格を待ち続けていてくれた。
男「これは……」
合格おめでとう。
去年の夏の日付の新聞紙に、そう書かれていた。
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