14: ◆WlH5kArGpE[sage]
2017/04/08(土) 22:17:36.83 ID:8f+Rtbzdo
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茜「私は信頼されています! 私は信頼されています! 先程の悪魔の囁きは、あれは夢です!」
卯月「そうです! あれは悪い夢です! 忘れてしまいましょう! 疲れている時は、ふいとあんな悪い夢を見てしまうんです! 茜ちゃん、茜ちゃんの恥じゃありません! やっぱり茜ちゃんは凄いアイドルです! また立って走れるようになったじゃないですか!」
茜「ありがたいです! 私は、熱血アイドルとして死ぬ事が出来ます! ああ、夕日が沈みます! ずんずん沈みます! 待ってください太陽! 私は生れた時から燃えていました! 情熱に燃えたまま死なせてください!」
廊下を歩くアイドルを押しのけ、跳ね飛ばし、茜は赤い風のように走った。渡り廊下での立ち話の、そのまっただ中を駆け抜け、立ち話していたアイドル達を仰天させ、Pを蹴飛ばし、転がるPを飛び越え、少しずつ沈んでいく太陽の、十倍も早く走った。一組のユニットとさっとすれ違った瞬間、不吉な会話を小耳に挟んだ。
「さっき専務室にいったら、ユッコちゃんが居心地悪そうにしてたよ」
茜「ああ、そのユッコちゃん! そのユッコちゃんのために私は今、こんなに走っているんです!」
卯月「ユッコちゃんを辞めさせちゃいけません! 急ぎましょう、茜ちゃん!」
見える。はるか向こうに小さく、専務室の扉が見える。扉は夕日を受けてきらきら光っている。
「お二人共、どうなさったんですか?」
呟くような声が、風と共に聞こえた。
茜「文香ちゃんじゃありませんか!」
茜は足をとめて応えた。
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