136: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/20(土) 03:50:12.91 ID:p1HX8edu0
「…。今、地上に出るのはまずい。ここの中に入ってきた兵士達も、まさか全員じゃないだろうからね。出入り口は、隠れアジト近くのを抜かして3ヶ所。2ヶ所は放浪者が今潜入しているエリアに入っていて、残った1ヶ所が候補だけれど、ついさっきその方向から兵士がやってきたからね。放浪者が、その目的のものをどうにかしてくれた時に起きる、混乱のどさくさに紛れて逃げるしかない」
作戦らしい作戦ではないのは、フレンドも承知だった。それはあまりにも希望的観測が過ぎると言っていい。放浪者ならその目的のものを破壊できるだろう。しかし、自分達がそれまでに耐えられるのかということが問題だった。
香坂が口を出そうとして、止める素振りを見せる。言いだしたところで仕方のない。この状況で、やれることを提示してくれるだけマシなのだ。大抵の場合、ただ逃げるだけになり、今頃被害も出していることだろう。小規模とはいえ、勢力の長を務め、慎重にそれでいて大胆に情報発信を続けてきた人間。緊急時において即座に判断し、紛いなりでも指揮を執れる人間は少数だ。
「全員、持ってこれた銃の弾薬と状態チェックをお願いするよ。もうそろそろ行けば、出口と行き止まりに分かれる通路に繋がる。その前に、この場所で銃撃戦をして時間を稼ぐよ」
倒す必要はない。必要なのは放浪者が任務を完了するまで、自分達が生き延びている時間だけだった。
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