147: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/21(日) 20:55:33.11 ID:izm4J/Xr0
『中は武装やらそういう装置を詰め込みまくってかなりせめーな。乗り込まれてたら、厄介だぜ』
かなり内部まで侵入しているが、処理した兵士は3人ほど。その厄介ということは、真実という確信を放浪者は抱く。バレットパレードも大詰め、だとしても大きな困難は望みはしない。
素早い足取りで、サンシャインがあるとされる格納庫に向かい続ける。兵士の数も多くなり、必然的にそれは目的のものが存在していることを示していた。
148: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/21(日) 20:56:46.96 ID:izm4J/Xr0
鏡に映るのは、城塞のように見える兵器だった。長方形型、詳しくはわからないが装甲車をモチーフにしているようだ。前方に機銃4門、側面にも何門か機銃のようなものが飛び出している。上部から大きな砲身らしきものが1門と、それより小さいその左右に2門ずつある。大きな砲身は、恐らくメインとなるレーザー発射部分。そして、何よりもデカい。
そう、デカい。分厚い装甲は見るだけでわかり、大型トラックを左右二台分、高さもちょうど2台分ぐらいか。見たこともないこれまた分厚い車輪が前と後ろに2つずつ付いている。そもそもこんな大きさのものが走れるのかという疑問さえ湧く。
だが、間違いなくただの人間がこれに立ち向かうことはできない。戦車という兵器があって、ようやっと攻撃が出来ると判断できるものだ。ただ、攻撃をしてダメージを与えるというだけならば。
149: ◆e6bTV9S.2E[saga sage]
2017/05/21(日) 21:04:17.54 ID:izm4J/Xr0
>>144
ただの防衛装置と、人間が登場した兵器、さぁ、どちらが厄介か。
150:名無しNIPPER[sage]
2017/05/22(月) 08:44:55.07 ID:9R4sJJ0r0
乙 放浪者はいったいどこまで上っていくのか
151:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/22(月) 15:59:53.01 ID:TMSzp8ZA0
乙!
ちょっと、こんなのガンハザのヴァンツァーとかそんなんに乗ってようやくの仕事でしょ!?
武装があるからって、アルベルト氏みたいに腕立て伏せさえしてりゃ無事って訳じゃあるまいし、生身でする事じゃないじゃんか……!
152:名無しNIPPER[sage]
2017/05/22(月) 22:56:02.21 ID:MSolr7hZ0
これ知ってる
コマンド間違えると即死するカプコンの例のアレでしょ?(ゲーム脳)
153: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/23(火) 01:44:40.18 ID:ay0DpeFQ0
照明や可動を示すランプにより格納庫が照らされる中を放浪者は駆ける。流石に警戒している相手だけあり、少しの間を置いてから前方の機銃が一斉に放浪者へ向けられた。まだ、昇降機が上がりきらない今、近づいてくる敵に対抗できる手段はそれしかない。
拒絶の咆哮のように、一斉に火を噴く。普通なら、そう普通ならミンチになる運命だ。生身で特攻を仕掛けるなど、牙を持つ鉄の塊に敵う要素など、ただの人間ならば一切ない。
だから、その銃弾の嵐の中から瞬時姿を消す人間は、それでもうただの人間な訳がなかった。
154: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/23(火) 02:02:53.95 ID:ay0DpeFQ0
大体の兵器に言えることだが、内部への侵入を想定した作りはしていない。その前に破壊されるか、破壊するか、撤退するかといったことを想定するからだ。もちろん、内部に限らず、例えば外壁部分に張りつかれることも想定しない。
だから、戦車なら歩兵が随行するし、艦艇だとその時点でミサイルや砲は意味をなさなくなる。サンシャインも間違いなく強固で強力な兵器と言っていいだろう。だからこそ同じ弱点を持つ。
そして今、敵は上部にいる。運転席にいる兵士達はほぼ同時にその認識を持った。もちろん、できたとしても通常はそれまで。ぎりぎり相手が人間だったとして、機銃を避けられるほど俊敏な動きをするには、重火器を持つことはできない。この状況でありうることは、設置するタイプの爆薬を所有して、出入りできるハッチを爆破しての侵入程度。エンジン部は外部から破壊できる位置にはなく、それ以外で恐れることと言えば、ハッチではなく足を止めるために車輪を爆破すること。
155: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/23(火) 02:06:11.47 ID:ay0DpeFQ0
少しおいて、対空砲の弾薬庫部分が爆破されたと報がくる。話の状況から、杭のようなものが発射機関に食い込み、手りゅう弾何個か投入されたようだ。言ったように、兵器は間近に接近されることは想定しない、その上、対空砲がある位置はサンシャイン上部。砲の内部に攻撃を仕掛けられた際の対策など、していない。
この状況で、対空砲に配置されていた兵士に死傷者が出ている。弾薬自体が暴発する恐れもあり、急ぎ人員をそちらに回す。
指揮官の男の内情は、黒く蠢く。ただのプロジェクトの試作品を回収するはずが、増援部隊を呼ぶ羽目になり、あまつさえそれも含めて全滅の危機に瀕している。どこで、歯車が狂った? そもそも今襲撃を仕掛けているのは何だ? まだ報告では超能力者を含めた集団と別働部隊は交戦中というのが事実なら、攻撃を1人で仕掛けてきた人間。人間か? 自分の目が捉えていた人型は、本当に、人間なのか?
156: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/23(火) 02:07:00.09 ID:ay0DpeFQ0
「全部隊! 出入り口を塞げ! 絶対に侵入させるな!」
だが、指揮官の男もこれまでに修羅場を潜り抜けてきた人間であることに変わりはない。絶望に蓋をし、この戦いに生き延びる渇望を糧に、部下に指示を飛ばす。不意を突かれ、対空砲を潰された事実は変わらない。だが、それでも変わらないのは相手がこの中に侵入してこれないという現実だ。
対空砲が潰されたところで、実際のところ痛手ではない。手数を稼げる機銃が潰される前にサンシャインを超能力者にぶつけ、細切れにしてやればいい。それが終われば、今襲撃をかけている人間の始末をつける。そう、フロントガラスの前にい――。
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