243: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/06/18(日) 04:16:50.14 ID:ZTwUq8oo0
メンバーのいる地点は、前後が十字路に繋がっている道路。大型駅エリアに近いからか、道幅そのものは広い。左右は大型の建物が連なっていて、逃げ込むことはできる。しかし、考え方を変えれば、十字路を抑えられれば包囲と挟撃を余儀なくされる位置。
前進したとして、待ち伏せの奇襲を受ける危険。この場に留まれば包囲される危険。内容は違うだけで、策謀の渦の中にいるのは間違いはなさそうだった。
山中は素早く後退の判断を下した指示をする前に、甲高い、いや、表現しがたい高音が背後から響き渡る。ほとんどのメンバーが振り向いた頃には音は止み、爆ぜる音がして頭部がないゾンビが倒れるのを目撃した。少し遅れて、エコーが地面に片膝をつく。
「音は…、集めたけど、ゾンビ達が来ちゃう…。逃げよう」
エコーの超能力は、亜種のバインドに近い。自身で高音を発する、ということはないが、周囲に発生した音を収束、対処に向かって放ちそれこそ打撃を与える。コールゾンビが発するそれを集めて対象にぶつければ、人体を破壊するに至るものだった。
井門は素早くエコーに肩を貸し、全メンバーは交代を始める。途中、何かが破裂した音がどこかに聞こえたように、感じられた。エコーが何かを告げる前に反応したのは、少し鳴き声を出し、前脚で鼻をこする小間城だった。
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