過去ログ - これから日記を書く 七冊目
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291: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/07/06(木) 01:11:57.26 ID:RAZ3e9n+0
こちらの存在には気づいているようで、その生存者は軽く手を振っている。この時代において、無用心なことだが敵意はない様子ではあった。警戒は怠らず、フレンドはそっと拳銃に手を当てながら近づいてくるのを待つ。

近づいてきて見えたのは、いろいろと奇妙な格好をした男の生存者だ。頭には消防士がかぶるヘルメットと、衣服には加工した金属の鉄板――恐らくはガードレールを加工したもの――が縫いこまれている。鉄板は両手の前腕部分、脛と太ももにある。スポーツ用品と思われる肘当て、膝当ても身に着けて、登山用と思われる大型のバックと、主装備らしい消化斧も持っていた。

「おたくらも、DJフレンドの話にあった例の光の正体を見に来たクチ?」

手をさし伸ばしてきたのを一瞬逡巡しながら、握り返す。その手からうえける感覚で、この生存者の力強さを感じる。敵意は本当にないようで、西村とは違うさっぱりとした人懐っこさを感じさせた。

「そういうわけではないかな。失礼だけど、君は?」

「俺かい? 柳瀬ってんだ。見てのとおり各地をぶらぶらしてる。おたくさんは? どっかで聞き覚えがあるんだけど、会ったことあったっけ?」

正体を隠している訳ではない。当然、不要なトラブルを招く可能性もあったが、素直に自分がそのDJフレンドだと名乗る。

「あー、通りで聞き覚えのある…。へ? おたくがフレンドなの?」

まるで有名人にでも会ったかのような反応に、DJフレンドは少し苦笑した。


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