298: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/07/07(金) 05:17:54.21 ID:7Cj+iV+j0
駆動音が止まり、EVEは自らケーブルを外した。インストールが終わったはずの端末を忙しなく操作するエクスを見て、心配そうな表情をしている。
「気にすんな。やっぱり互換性の問題ってやつだ」
EVEの優れたAI、もはやそれは一個人と言っても差し支えないレベルのものだ。また、自我を抜かしても基本的な行動や学習するというのは、この世界をどこに探しても存在しない。唯一無二と言っていい。
その優れ過ぎたAIであるが故に、それを受け入れる器は早々簡単に作れるものではなかった。稼働させる部分に相違からのトラブル起きるのは予想していたが、ここまで完全に不完全になるのは想定外というか。そのAIを実行できる器を生み出した山海の天才さを伺わせるものだった。
ここにいる研究所のメンバーは、一流といっていい実力を持っていて、その結晶であるアンドロイドでこの結果なのだから。
「だがま、俺様がこのAIをカスタマイズしてやりゃあ問題はない。EVEみたいなってのは無理だが、それでもそこらのAIなんぞよりも良いのにはなるだろうさ」
問題はその良いAIを、パラノイア攻略前までに改良しなければいけない。エクスはそれだけシンプルに考えて、まだ疲れの残る身体に鞭を打ちキーをタイピングを続けた。
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