407: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/09/01(金) 03:46:48.10 ID:TExTEDcl0
「なんであいつは、いつも1人で行っちゃうんだぞ…?」
パラノイアとの戦いに向けた準備中、藍はそうこぼす。結局のところ、それは彼にしかわからないことだが、わかるのは全てメンバーを守るためということだ。
馴染んでいる武装のチェックが終わった佐原は、その言葉を聞いていた。もちろん、佐原にもそんなことはわかりようがない。
「うーン。兄貴は、正しいと思ったラやっちゃうタイプっすカらなー」
「でもだぞ。こんなの危険すぎるぞ」
藍の頭に過(よ)ぎるのは、自分を生み出した父を探しに行き、WWPに捕らわれた時のことだ。西切が側にいて1人ではなかったにせよ。多勢に無勢は、身に染みたことでもある。放浪者が挑んだことは、どう考えてもそれを超える状況なのは、藍にとって容易に想像できる。
「そうっすナー。でも、誰かやらナきゃいけなかったら、兄貴はやっちゃウっすよ」
「違うぞ。自分達だって強くなったんだぞ、もっと信用してくれてもいいはずだぞ!」
それを聞いて、佐原はそれこそ大げさに肩をすくめて、ちっちっと言いながら立てた人差し指を左右に動かし。
「信用していルからやったんすヨ」
「支度は整いましたか…」
2人のやり取りの間に入り、錬浄は2人の状態を確認する。準備自体は終わっている2人は、その言葉にうなづいた。そして、そのまま3人で玄関へと向かう。
「もう1つ聞きたいぞ…。なんで佐原はいつも通りなんだぞ?」
「そりゃあアれっすよ。どうせ兄貴がパラノイアを処理しちゃう訳っすシ。なら俺達がやるのは、イつものゾンビ処理っす」
そのいつも通りでいられる佐原が、藍には羨ましかった。
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