過去ログ - これから日記を書く 七冊目
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675: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/19(月) 02:21:58.42 ID:YQIgNZab0
剣戟による金属音が、室内に響き渡る。キングは全身全霊を持って放浪者を把握し、それを基に攻撃を仕掛ける。放浪者はそれを意に返さない、殺意無き斬撃を放つ。

お互いにひかない。両陣営の大将同士の戦いは、意外にもたった二人きりだった。放浪者も、また自身を罠として誘っていると、キングのことを思っていた。今まで自らの戦いを放棄していた存在が、今の今になって正面から戦うことなどあるかどうか。そういう印象をキングに持っていたからだ。

『なぜ我々の楽園が奪われねばならぬ!』

慣れてきた、言葉が直接頭に叩き込まれる。キングが口を動かしている様子も、音として耳で捉えられていない以。わかってはいたことだが、これはテレパシーに違いなかった。

『なぜ我々の同胞が奪われねばならぬ!』

もし仮に、人間が本当に憎悪し、それを思いと共にぶつけられたとしたら、今受けているそれがそのままなのか。放浪者はそう感じていた。

『なぜ我々のことを、放っておかない!』

「…放置するには、貴様の力は強大すぎる」

ゾンビとの共存など想像すらできない。何より、それを1つにまとめ上げ、人間を蹂躙できる存在など、文明復活の為、都市を解放を目的とした拠点にとって、見過ごす訳にはいかないのは、誰が考えても同じことだった。


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