704: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/24(土) 02:54:56.24 ID:ZhL//B+a0
「…ふぅ。折角ここまで来て、誰かが欠けて帰る。なんていうのは避けられたようですね」
「なんかあったのか? 美弥ねぇ」
回収組に起きた事態を、覚は勝に話す。フェイが危なかったことは当然心配していたものの、心の中に去来するのは話に聞いているオーガを、簡単に処理してしまった放浪者への強さへの嫉妬だった。
「…勝はこれからも強くなれる。急がなくてもいいのよ」
「うん? そうだな。まだまだセンセーに教えてもらわなきゃいけないこともたくさんあるからなー」
今回は、覚の警護、及び研究所から派遣されたメンバーで拠点の防備はなると判断した浜村が、許可を出して拠点外へ出れた。覚を守りたいという意思は間違いないものだが、そこに混ざっていたのは外に出て自分の実力を確かめたい。それが日増しに彼の中で強くなっているのを、彼自身。そして覚もわかっていた。
「勝、撤収準備はもうちょっとかかる。警戒引き続き頼むぞ!」
「わかった。文にぃ!」
この局面を乗り切り、全員拠点に戻れさえすれば、上位種という新たな脅威が生まれた今でも、都市解放は成る。その核心は覚の中であるのと同時に、その次の始まるある予感が、優しく勝に向けて微笑んだ。
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