724: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/26(月) 01:49:18.50 ID:4Lj0x3aA0
「…。仮に、俺が死んだとしても、メンバーは生き残るならそれで構わない」
「それが、無責任だって、知らない?」
この苛烈な様子で、彼女が放浪者に食って掛かってきたことがあった。その時は、初めてあった時、思えば彼女は不安で、自分本位な怒りだった。けれど今の怒りは違う、放浪者自身への心配を含め、メンバーのことを前提とした、優しい怒りだった。
「…。死んだのならそうだな」
「死んでなければいいっての?」
警備組のリーダーを勤める浜村のことも、放浪者は信用していた。どんな状況でも、動揺せず指示を飛ばす姿を見て、拠点の留守を任せられると考えていた。この怒りを見て、放浪者はその判断に間違いはなかったと、確信を抱けた。
「…それでいいという気もない。無謀で1人突撃をした訳でもない。全て出来ると判断した上での行動だが…、心配してくれてありがとう」
想定しなかったお礼の言葉に、浜村は、言いよどむ。
「……。あとは山中に怒ってもらいなさいよ」
「…それはなかなか手厳しそうだな」
彼にとっての、この任務の大きな山場は、案外そこにあるのかもしれない。
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