過去ログ - これから日記を書く 七冊目
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725: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/26(月) 02:01:04.23 ID:4Lj0x3aA0
家の中に入り、浜村に突き付けられたその重い事実に、いつもより足取りが重くなるのを放浪者は感じていた。内心、出る前に山中と一言交わしてから飛び出したのだから、そこまで怒ってはいない。と高を括ろうとしたが、自室の中に入り、目に入った相棒の様子は、当然のように怒っていた。

もちろん、デスクに向かって今日の任務について記録を無言で残しているだけだが、彼だけにはわかる怒りを、こちらに向けてきている。ゆっくりと、中に入りドアを閉める。そのまま自分が使っているベッドに腰かけて、彼女の動くのを待とうとした。

だが、思うのより早く、彼女は立ち上がる。ゆっくりとした動作で放浪者の前にたって、膝立ちになり恨めしい顔を彼の顔に近づけた。吐息を感じる。

「…苦労を掛けた」

苦し紛れと言っていい言葉の後、山中は両手を、放浪者の頬にそれぞれ触れた後。つまんだ。力はそこそこ入っていて、わりと痛い。

「貴方はどれだけ皆に心配かければ気が済むんですか」

「…ふみゃない(すまない)」

その上で、ぐにぐにと回すのは、正直かなり痛いと言ってよかった。


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