740: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/03/02(金) 15:17:48.77 ID:j04BEN5q0
氷がグラスの中で音を立てる。それから、クルクルとグラスの中に入った氷と、ウィスキーを静かに回してから、佐田は一口含む。良い匂いを楽しんでから、それを呑みこんだ。
彼がいるのはモーテルの一室、キッチン兼待合室になっているそこのテーブルには、今置いたロックグラスと、ここに来てからずっと書き起こし続けている図面が並べられている。もうすでに、これからに向けて動き出していた。
「ふん、気になるのか?」
影から、こっそりと自分のことを見てるエコーに声をかける。エコーは驚いたように声を上げた。
「俺でも、薄暗い廊下からジッと見られたら集中できん。用がないなら、部屋に戻れ」
「あ、うん。ごめんなさい…」
エコーも飲み物を取りに来ていた。今回の戦いでの熱が、まだ中で火照っていたからだ。ただ、佐田のその全体的な、一種の絵になる光景を、ある種見とれていた。
「どうせ明日も早い。ふん、とっとと寝ることだ」
「あ、ありがとう」
気遣いがされているのは音からわかる。けれど、なんでここまでぶっきらぼうなのか、エコーにはわからなかった。
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