過去ログ - これから日記を書く 七冊目
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746: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/03/04(日) 01:53:53.51 ID:MITiN+fB0
放浪者は、闇の中にたたずんでいた。月が出ていれば、明かりのない世界だとこんなにも空は明るい。そう思いながら、眺めている。

「寝れないんですか。放浪者さん」

いつもの飄々とした様子で、西切れ、ベンチに座る放浪者の隣へ座った。彼はそれを見る訳でもなく、そのまま空を眺めていた。けれど、何となく彼女もわかる。話したいことがあるなら、聞くぞと、無言で伝えてきていた。

「うーん……。そうですねぇ」

言いよどむ。今、WWPとも主だった接触もなく、キングという脅威を排した拠点は自由な状況。それを踏まえると、目立った脅威がない以上、彼女がいて欲しいという希望自体が拠点にはない。西切も自由な状態になったと言える。

ならどこに行こうと、自由だなと放浪者は考えていた。

「お選びするのは山中さんなのはわかってるんですが、あたしも候補に入れてほしい。なんてとこですよ」

「…西切?」

そっと、彼女は立ち上がる。その表情に、悲壮な様子はない。穏やかなものだった。

「大型駅エリアが確保できるまでに、ちょっとだけでも考えてくれると嬉しいですよ。おやすみなさい」

それは、放浪者であっても、自室に戻っていく西切れに、声をかけられなかった。


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