過去ログ - これから日記を書く 七冊目
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778: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/03/13(火) 00:58:14.29 ID:GtWkPBeA0
大型駅エリア、バリケード内の探索は順調だったが、雨が強さを増していた。探索組も、一時的に建物内へ避難している。

雨音が全てを包み、雨音だけがこの場を支配している。他の音を聞けないのは厄介だなと、山中は感じていた。エコー、後は耳のいい佐原、小間城、風虎以外で何かの異音に気づくのが遅れてしまう。上位種がいるエリアでは、そういう警戒は重要なことだ。

「こちらでしたか、山中さん」

「西切さん、どうしましたか?」

いつも通り飄々と、しかし、山中の心中で何かを感じ取っていた。言うなら、警戒していた異音と似たような何かを。

「まぁ、もしかしたらお察しかも知れませんけれども」

あまり聞きたくはない。そしてそう思ったことで、おおよそ、その何かを理解してしまった。

「出来るなら、あたしも候補に入れてほしい。キング討伐の夜、放浪者さんにそう言いました」

「…そうですか」

その反応に、西切は、少し落胆めいた気持ちを抱いた。出来れば、怒りを見せてほしかった。最も彼に近い人である彼女だからこそ、なぜ、そんなことをと。

「私の考えている通りの候補というなら、それを決めるのは彼です」

「……。その言葉を、あたしは鵜呑みにするかもしれませんよ?」

お任せします。とだけ、山中は答えた。


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