824: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/03/22(木) 03:21:37.68 ID:I9nik+dY0
では、DJフレンド達を読んでくると、放浪者は部屋の外を出ていく。見送った後、柳瀬は近くの椅子に座りこみ、深山も緊張をほぐす為、煙草に火をつけて紫煙を取り込んだ。
「お前、今の話は、どう考えたって自殺願望ってやつだろよぉ…」
「確かめたかった。この動体視力の全力をもってして、動きを捉えられるかと」
深山の中にあったのは、初対面時にいたことに気づけなかったことだ。もし、そもそも気づけないような力なら、ミュータントで強化された身体以外、深山は無力化されることになる。
「結論から言う。動きを捉えることは出来た、ただし、途中からだけど」
武術の教えを受けた訳ではないが、人間は無意識が存在する。有名なのは、動作する瞬間までのわずかなラグ、そこに意識が介在しない瞬間が必ず起きる。推察するに、ある種の相手の無意識を読み取り、攻撃を仕掛けてきている可能性があると深山は示唆した。
「できんのかよ。そんなこと」
「…。2度だよ、あらゆる動作を見落とす訳のない僕が2度、認識できないことが起きた。なら、それは偶然じゃなくて、事実。放浪者に自覚があるかどうかは推察できないけど、相手の認識を突いて攻撃を仕掛けられる。絶対的無防備へ対しての攻撃は、誰が考えても。脅威だ」
これが、悪党でなかったことが不幸中の幸いだ。深山はそう考えるしかなかった。
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