823: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/03/22(木) 03:09:54.43 ID:I9nik+dY0
「そうそう、放浪者さんにお願いが一つあってね」
どうしたと聞くと、深山はサングラスを取る。特徴的な複眼が、当然目に付く。
「本気で僕を斬りつけてほしい。自殺願望じゃなく、単に貴方がどれだけのものか知りたい」
「お前、何言って――」
止めようとした柳瀬が言い切る前に、放浪者いいだろうと答え、ゆっくりとウェーブソード・デュエルを引き抜いた。息を呑む動作にも関わらず、2人はいつまでも殺気を感じることが出来なかった。
「(…全力で注視して、動きを把握できるか。それによって、この人が持つ力が理解できる)」
「(ヤバい、ヤバいって空気は感じて、殺気も殺意も感じねぇ。気持ちだけ焦ってるみてぇだ…)」
それぞれの感想を抱いている間に、放浪者は滑り込むように深山の胸部部分を撫でる位置で、太刀筋を止めた。深山の身体は、少しだが後方に下がっている。
「…満足か?」
「えぇ。おおよそは」
だからこその結論だが、WWPより放浪者の方が脅威という認識は、彼の中で確実なものになった。
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