102: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2017/04/10(月) 16:57:13.98 ID:LzjXz4kL0
言われてみれば、前兆はあった。
あれだけ引きこもっていた彼女は、ここ最近出かけることが多くなっていた。
食欲も少し落ちているようで、物思いにふけることも増えていた。
もうすぐ、こうやって言い争うことさえもできなくなるのだ。
そのことをようやく理解し始めると、頭の中からじわじわと凍り付いていくように感じた。
私と彼女は、私たちには壊すことのできない柵で区切られている。
私たちは出会ったのは、こんな思いをするためだったのか……?
いや、果たしてそうだろうか。
本当に、このまま事態を飲み下す以外にないのだろうか。
脳裏に、ある考えがひらめき、慌てて否定する。
こんなおぞましいことを思いつくのも、気が動転しているせいだろうか……。
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