105: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2017/04/10(月) 16:58:57.32 ID:LzjXz4kL0
私はガシャンと勢いよく金網にぶつかった。
見下ろした先には、見慣れた住宅やお店が、見慣れない角度で配置されている。
「サターニャ、転移札を使うなら、先に言っておきなさいよ!」
サターニャと私は屋上に来ていた。
悪魔は天使のように自在にワープすることはできないが、
魔力を込めた陣を描いた札を張っておけば瞬間移動ができる。
多分、サターニャはそれを使ったのだろう。
「ああ、ごめんヴィネット。二人でってあんまりしたことなかったのよ」
「もう……」
「でも、部屋の中にこもっているよりは、ちょっとはマシな気分になるでしょ?」
校舎の周囲には、視界を遮るような高い建物は無い。
確かに、涼しい風が火照った頭を冷やしてくれるようだった。
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