過去ログ - まゆ・智絵里「プロデューサーさんが結婚…?」
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1: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 20:54:42.14 ID:uQ1vFJG/0

アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。
佐久間まゆと緒方智絵里メインの小説です。

以前、pixivに投稿したSSの改稿版です。
内容は大凡同じですが、細かい表現や多少のストーリーの変更があります。
もし既にお読みの方がいらっしゃれば、途中のネタバレ書き込みを避けて頂けると助かります。



SSWiki : ss.vip2ch.com



2: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 20:56:22.35 ID:uQ1vFJG/0
21:30~22時くらいから投下します。


3:名無しNIPPER[sage]
2017/04/10(月) 22:00:21.45 ID:V7PW0Ftvo
こいこい


4: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:03:21.60 ID:uQ1vFJG/0

六月、初夏の空は雲ひとつなく、どこまでも青い空が広がっています。
理想の結婚式日和とは、こういう日を指すのかもしれません。
そんな素晴らしい天気の中、私は教会の庭の端っこのベンチで、チャペルの中の喧騒をぼうっと眺めていました。

以下略



5: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:06:18.17 ID:uQ1vFJG/0

プロデューサーさんが結婚する、と聞いたのは一週間前のことです。
事務所にプロデューサーさんの担当アイドルが集められ、直接ではなくちひろさんからの口から、
プロデューサーさんが結婚すること、挙式は一週間後であること、が伝えられました。

以下略



6: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:10:06.05 ID:uQ1vFJG/0

ただ、結婚式の当日になってみると、そんなに悔しいとか、悲しいとか、そういう気分はもうないような気がします。
私とプロデューサーさんが釣り合わないということは薄々思っていましたし、
プロデューサーさんほどのいい人を、世の中の女性が野放しにしておかない、というのも当然だと思うからです。

以下略



7: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:13:24.61 ID:uQ1vFJG/0

「ここ、いいですかぁ?」
物思いに耽っていたせいで、誰かが近付いてきてることに、まったく気が付いていませんでした。
なので、びっくりして素っ頓狂な声をあげてしまいます。
「ひゃっ、……あ、まゆちゃん。どうぞ」
以下略



8: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:17:27.74 ID:uQ1vFJG/0

「ありがとうございますね」
そう言って、まゆちゃんは私の隣に腰掛けました。
普段は柔らかな微笑みをたたえている顔も、今日はなんだか元気がありません。
それは、当たり前のことです。
以下略



9: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:22:23.64 ID:uQ1vFJG/0

まゆちゃんは、言葉を一つも発していません。俯いて、ただ地面の一点を見つめています。
地面に目をやって身じろぎさえもしないので、私の耳にはチャペルの中のざわめきと、風切り音が、時々聞こえてくるだけです。
私の方も、まゆちゃんとはお仕事も一緒に何度もやっていて、レッスンもよく一緒になって、寮のお部屋も隣なのに、何も話すことが浮かんできませんでした。
普段は、取り止めもない話で、ずっとお話しできるのに。
以下略



10: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:23:16.50 ID:uQ1vFJG/0

「あっ、あのっ」
重苦しい空気に耐えかねて、私は咄嗟に口を開いてしまいました。

何を言おう、とか考えついてないのに。
以下略



11: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:25:19.88 ID:uQ1vFJG/0

私の独白めいた言葉を聞いたまゆちゃんは、ふっと一瞬だけくすりと笑って、それから柔和な表情になりました。
「……まゆは」
そして、まゆちゃんは唇を噛み締めながら、ぽつり、ぽつりと呟き始めました。
「プロデューサーさんの……し、幸せが、まゆの幸せですから……。プロデューサーさんが選んだ幸せ、まゆは、心から、お、お祝いしますよ……」
以下略



12: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:27:22.70 ID:uQ1vFJG/0

「……まゆちゃん」
まゆちゃんを守ってあげたい、という気持ちと、ごめんなさい、という気持ちが混ざって、私は衝動的にまゆちゃんを抱き寄せました。
体全体で覆うようにぎゅっ、と抱きしめると、まゆちゃんはそのまま私の胸に顔を埋めてきます。
胸元のあたりから静かに鼻をすする音が聞こえてきて、まゆちゃんが泣いていることがわかりました。
以下略



13: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:29:14.64 ID:uQ1vFJG/0

プロデューサーさんが結婚してからのまゆちゃんは、それまでより一層、アイドルに精をだすようになりました。

今までも、私なんか比べ物にならないくらい、ずっと一生懸命にやっていたのですが、
鬼気迫るというか、何かに取り憑かれたかのように、レッスンにお仕事に、と没頭するようになったのです。
以下略



14: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:33:48.86 ID:uQ1vFJG/0
居残りをする前に、まゆちゃんのハードワークを止めるのに、どうするか。色々私も考えました。
三日三晩うんうんうなりながら考えました。
それで出たアイディアは、こんな感じです。

まず一緒に練習をして、まゆちゃんに疲れが見えたタイミングで、「休憩しませんか?」と持ちかけます。
以下略



15: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:37:31.13 ID:uQ1vFJG/0
結論から言えば、私の目論見は甘かったとしか言えませんでした。

まゆちゃんは連日のハードワークで疲れているだろうから、すぐに「休もう?」と声をかけるチャンスが来るだろう、なんて考えていました。
でも、今日のために数日前から体調を合わせてきた私がへばって肩で息をする傍で、まゆちゃんは今もなお元気にダンスを踊り続けています。
しかも、辛い顔をするなんておろか、笑顔を絶やさないで、です。
以下略



16: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:41:02.35 ID:uQ1vFJG/0
「智絵里ちゃん、大丈夫ですか?」
心配したまゆちゃんが、ダンスを中断して小走りで駆け寄ってくれました。

「あ、ありがとう。よろけただけだから、大丈夫だよ?」
まゆちゃんは私と同じメニューをこなしているのに、私だけへばりこんじゃってるのが、恥ずかしくてたまらなくなります。
以下略



17: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:43:55.61 ID:uQ1vFJG/0

「……このお茶、おいしいですね。何のお茶なんですか?」
まゆちゃんはカップに口をつけた瞬間、一瞬え?と言いたそうな、不思議そうな顔になりました。

そして、もう一度お茶を口にして、それから目を開いてびっくりした表情になった後、満面の笑顔になりました。ぐるぐる表情が変わって、可愛いです。
以下略



18: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:46:27.11 ID:uQ1vFJG/0
「ね、ねえ、まゆちゃん」
「なんですかぁ?」
まゆちゃんの機嫌が良さそうだったので、意を決して言ってみることにしました。

「あの、まゆちゃん、最近張り切りすぎてないかな。私、まゆちゃんが心配で」
以下略



19: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:47:10.78 ID:uQ1vFJG/0

「不思議だ、って顔をしていますね?」
「あ、顔に出てたかな?」
すぐ感情を顔に出すのは、子供っぽいので治したいとずっと思っているんですが、未だに良くなる気配はありません。
自分の気持ちが人にばればれなのは、恥ずかしいです。
以下略



20: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:49:49.32 ID:uQ1vFJG/0
「ときに智絵里ちゃん」
「何でしょう?」
そこまで笑顔だったまゆちゃんが、いきなり真面目さんな顔になったので、自然と私も背筋を伸ばしてしまいました。

「まゆが自主練をやり過ぎてしまわないように、智絵里ちゃんも明日から一緒に自主練お付き合いしてくれませんかぁ?」
以下略



21: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:52:17.59 ID:uQ1vFJG/0
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