過去ログ - まゆ・智絵里「プロデューサーさんが結婚…?」
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40: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 21:01:05.77 ID:cAp//Ukt0
昨日はすみませんでした。
21:10から投下します。


41: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 21:10:06.09 ID:cAp//Ukt0

「智絵里ちゃん、智絵里ちゃん、智絵里ちゃん……」
気が付くと、まつげとまつげがくっつきそうな距離に、まゆちゃんの顔がありました。
いつ見ても綺麗にカールしたまつげは、私がまゆちゃんに密かに憧れているポイントの一つです。

以下略



42: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 21:11:08.94 ID:cAp//Ukt0
「智絵里ちゃん、大丈夫ですかぁ?」
まゆちゃんに聞かれ、自分で違和感のある頭を触ってみます。
包帯かメッシュが巻いてあるみたいで、肌触りはごわごわしていましたが、それ以外に特に変な感覚はありませんでした。
「うん、大丈夫、みたい。少し痛いくらい」
ちょっとだけ頭がズキズキしますが、それ以外は不思議なくらいに何も感じません。
以下略



43: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 21:12:30.50 ID:cAp//Ukt0

「でも、本当によかったです。智絵里ちゃんが居なくなったら、まゆ……」
「大げさだよ、まゆちゃん」
あまりにまゆちゃんがこの世の終わりみたいな声色で嘆くので、ちょっとだけ笑っちゃいました。

以下略



44: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 21:24:45.22 ID:cAp//Ukt0

「え?何が?」
全く心残りがないのにお礼を言われて、頭のなかに、はてなマークが浮かんできます。
私、なにかやったかな?

以下略



45: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 21:25:29.13 ID:cAp//Ukt0

「無意識の行動か、ぶつけたショックで忘れてしまったんでしょうね。智絵里ちゃん、一切何も覚えてないんですね?」
「そうですよ?」
ぶつける寸前、それと直後の記憶しか持ち合わせていないので、そう言うしかありません。

以下略



46: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 21:27:47.14 ID:cAp//Ukt0
「だそうですよ?それで、まゆちゃんと直接お話をしてあげてください、逃げないでくださいって叫んで」
「叫んでたんですか?」

あまりに自分のことと思えない話に、目を見開きながらまゆちゃんに尋ねます。
「救急車が到着するまで、ずっと、だったそうですけど」
以下略



47: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 21:29:22.48 ID:cAp//Ukt0
「どんなことを話したの?」
「それは、智絵里ちゃんであっても言えませんよぉ」

なんとなく聞いてしまったあとに、デリカシーのない発言だと気付いてあわてて謝罪します。
「ご、ごめんね」
以下略



48: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 21:33:30.01 ID:cAp//Ukt0
「ええ、とっても素敵な人なんですよ」
「そうなんですね、私が知ってる人ですか?」
興味本位で、聞いてしまいます。あ、これ、聞いて良いのかな、と思ったのはまたもや口から発した後でした。

「ですよ」
以下略



49: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 21:36:53.96 ID:cAp//Ukt0

「智絵里ちゃんですよ?」

いきなり、なぜ私の名前が、と思って前後の話の流れを頭の中で整理します。
えっと、好きな人がいて、それが私の知っている人で、あがった名前が『智絵里ちゃん』。
以下略



50: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 21:39:18.33 ID:cAp//Ukt0

「えっと私、女の子だよ?」
まゆちゃんも当然知ってることを、反射的に口にしてしまいました。でも、まゆちゃんも女の子で、私も女の子なのは厳然たる事実です。揺るがぬ真実です。
「好きなんです」
そう言って、まゆちゃんの方から、私の目をじっと見つめてきました。澄んだ薄緑の目に、私の顔が映ってゆらゆら揺れています。
以下略



51: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 21:41:24.18 ID:cAp//Ukt0

『お母さんって、どうしてお父さんと結婚しようと思ったの?』
どういう経緯だったか忘れたのですが、そう聞いた私に、お母さんは恥ずかしそうに笑って、
『好きだったからよ』
と短い返事をしてくれました。
以下略



52: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 21:43:43.72 ID:cAp//Ukt0
なるほど。わかりました。
「まゆちゃん?」
「は、はひっ」
私が話しかけると、まゆちゃんは、ちょっとだけ飛び上がります。

以下略



53: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 21:44:21.48 ID:cAp//Ukt0
「あっ、えっ?」
まゆちゃんは一瞬、茫然自失といったような表情になったあと、ぱあっと赤くしながら自分の唇を押さえました。
口をモゴモゴさせて、何かを言いたいけど言えない、と言った趣のまゆちゃんに、私はちょっとだけ意地悪に微笑んで問いかけます。

「まゆちゃん、嫌な気持ちになりました?」
以下略



54: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 22:24:49.84 ID:cAp//Ukt0
.



◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
以下略



55: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 22:25:17.07 ID:cAp//Ukt0


まゆちゃんと正式にユニットを組むようになってから、半年が経ちました。
仕事は右肩上がりに増えていって、今ではプロダクションの中でもけっこうな稼ぎ頭なんですよ。
ちょっとした自慢ごとです。
以下略



56: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 22:27:22.97 ID:cAp//Ukt0

でも、プロデューサーさんの言ってたことは確かでした。

ただ漫然とデュオをしているとすぐに飽きられる、というのは本当で、半年という短い期間なのに何回か人気が陰った時期がありました。
それでも、前もってその話を聞いていたお陰で、まゆちゃんと話し合って対策を立てて手を変え品を変え、飽きられずにここまでなんとかやってこれています。
以下略



57: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 22:29:56.43 ID:cAp//Ukt0

そうそう、プロデューサーさんで思い出しました。プロデューサーと奥さんに、子供ができたんです。
と言っても、まだ生まれてはいなくて、妊娠8ヶ月なんですけどね。
お腹が大きくなった奥さんの写真を私たちに見せたプロデューサーさんは、本当に幸せそうでした。

以下略



58:名無しNIPPER
2017/04/12(水) 22:39:09.05 ID:Q6ri7V790
レズなら最初からそう書いとけや


59: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/12(水) 22:43:51.82 ID:cAp//Ukt0

これでおしまいです。
www.pixiv.net
https://twitter.com/Bougain721/status/851428153960550400
改稿前のと、この作品の漫画版を書いてくださっている方のURLを貼っておきますので、よろしければご覧ください。
以下略



60:名無しNIPPER[sage]
2017/04/12(水) 22:53:52.33 ID:RA/qrtISO
乙乙
こういう関係もいいね


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