過去ログ - まゆ・智絵里「プロデューサーさんが結婚…?」
1- 20
2: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 20:56:22.35 ID:uQ1vFJG/0
21:30~22時くらいから投下します。


3:名無しNIPPER[sage]
2017/04/10(月) 22:00:21.45 ID:V7PW0Ftvo
こいこい


4: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:03:21.60 ID:uQ1vFJG/0

六月、初夏の空は雲ひとつなく、どこまでも青い空が広がっています。
理想の結婚式日和とは、こういう日を指すのかもしれません。
そんな素晴らしい天気の中、私は教会の庭の端っこのベンチで、チャペルの中の喧騒をぼうっと眺めていました。

以下略



5: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:06:18.17 ID:uQ1vFJG/0

プロデューサーさんが結婚する、と聞いたのは一週間前のことです。
事務所にプロデューサーさんの担当アイドルが集められ、直接ではなくちひろさんからの口から、
プロデューサーさんが結婚すること、挙式は一週間後であること、が伝えられました。

以下略



6: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:10:06.05 ID:uQ1vFJG/0

ただ、結婚式の当日になってみると、そんなに悔しいとか、悲しいとか、そういう気分はもうないような気がします。
私とプロデューサーさんが釣り合わないということは薄々思っていましたし、
プロデューサーさんほどのいい人を、世の中の女性が野放しにしておかない、というのも当然だと思うからです。

以下略



7: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:13:24.61 ID:uQ1vFJG/0

「ここ、いいですかぁ?」
物思いに耽っていたせいで、誰かが近付いてきてることに、まったく気が付いていませんでした。
なので、びっくりして素っ頓狂な声をあげてしまいます。
「ひゃっ、……あ、まゆちゃん。どうぞ」
以下略



8: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:17:27.74 ID:uQ1vFJG/0

「ありがとうございますね」
そう言って、まゆちゃんは私の隣に腰掛けました。
普段は柔らかな微笑みをたたえている顔も、今日はなんだか元気がありません。
それは、当たり前のことです。
以下略



9: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:22:23.64 ID:uQ1vFJG/0

まゆちゃんは、言葉を一つも発していません。俯いて、ただ地面の一点を見つめています。
地面に目をやって身じろぎさえもしないので、私の耳にはチャペルの中のざわめきと、風切り音が、時々聞こえてくるだけです。
私の方も、まゆちゃんとはお仕事も一緒に何度もやっていて、レッスンもよく一緒になって、寮のお部屋も隣なのに、何も話すことが浮かんできませんでした。
普段は、取り止めもない話で、ずっとお話しできるのに。
以下略



10: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:23:16.50 ID:uQ1vFJG/0

「あっ、あのっ」
重苦しい空気に耐えかねて、私は咄嗟に口を開いてしまいました。

何を言おう、とか考えついてないのに。
以下略



11: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:25:19.88 ID:uQ1vFJG/0

私の独白めいた言葉を聞いたまゆちゃんは、ふっと一瞬だけくすりと笑って、それから柔和な表情になりました。
「……まゆは」
そして、まゆちゃんは唇を噛み締めながら、ぽつり、ぽつりと呟き始めました。
「プロデューサーさんの……し、幸せが、まゆの幸せですから……。プロデューサーさんが選んだ幸せ、まゆは、心から、お、お祝いしますよ……」
以下略



12: ◆5.8kK1TN.k
2017/04/10(月) 22:27:22.70 ID:uQ1vFJG/0

「……まゆちゃん」
まゆちゃんを守ってあげたい、という気持ちと、ごめんなさい、という気持ちが混ざって、私は衝動的にまゆちゃんを抱き寄せました。
体全体で覆うようにぎゅっ、と抱きしめると、まゆちゃんはそのまま私の胸に顔を埋めてきます。
胸元のあたりから静かに鼻をすする音が聞こえてきて、まゆちゃんが泣いていることがわかりました。
以下略



60Res/40.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice