過去ログ - 【モバマス】P「天国の扉を鳴らせ」
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67: ◆XSpMgThnfc[saga]
2017/04/25(火) 00:05:55.58 ID:2cKsh5bP0
翌日のオフをはさんで、次の日はレッスン日だった。来たるライブに向けて、第七事務所総出でレッスン場へ。
私はまだ気持ちの整理はついてなくて、暗い顔だったと思う。他のみんなはそれまでと変わらない様子で、なんて強いんだろうと思った。
薄情だとは思わなかった。
そんな人たちじゃないことは、一緒に過ごした私がよく知っていたから。
レッスンが始まっても、私は気もそぞろで集中できなくて。ミスは多いし注意してもパッとしないしで、指導を受ける態度としては最低だった。
それを見かねてだろう。
「……トレーナー。ちょっと止めなさい」
時子さんが、レッスンを中断させて私を室内から引っ張り出した。
二人だけの静かな廊下で、時子さんが口を開く。
「……加蓮、私が以前言ったことを忘れたのかしら。私のやる気を削ぐような真似をするなと、言ったわよね?」
時子さんは、仕事に対してどこまでも真摯だ。
だからこそ、たとえレッスンでも気の入っていない人間がいるのは不愉快なんだろう。
「……ごめんなさい」
「大方、あの男がやめるってことでウジウジしてるんでしょう? ……あなたがどう思おうがどうだっていいけど、私の前でそんな態度を取るのはやめなさい。鬱陶しい」
「……時子さんは、平気なの?」
「アァン?」
私よりも、長い付き合いなのに。
付き合いの長さと思い入れが比例するとは限らないけど、往々にして長ければ長いほど思いも強くなるものだろう。
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