過去ログ - 【モバマス】P「天国の扉を鳴らせ」
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68: ◆XSpMgThnfc[saga]
2017/04/25(火) 00:08:54.81 ID:2cKsh5bP0
「……なんとも思わないの? プロデューサーがやめるんだよ?」
「思わないわけないでしょう。愚問にもほどがあるわね」
「……えっ」
「……あの男は、本当に有能だった。私が望んだ相応しい舞台を用意し、私のやりたいようにやることを許した。私に、新しい楽しみを、新しい生き方を提示したわ。……まあ、望まないものを大量に押し付けてきたりもしたけれどね」
心底嫌そうな言い方をするけれど、その表情はどこか懐かしむように見えた。
「どんなに少なく見積もっても、私は確かにあの男に恩があるわ。だったら、それは返すのが道理。……というよりも、そうしなければ私の気が済まないのよ」
時子さんは吐き捨てるように、真っ直ぐな言葉を言った。
「あの男は、私がアイドルであることを望んだ。望まれたなら、そうあるだけ。そうあるために、今できることをしているだけよ。あの男がやめようが、私がそれについてどう思おうが今は関係ないわ」
あなたはどうなの、と。
そんな目を向けられた気がした。
だけど、返事を返す前に、時子さんはさっさと室内に戻ってしまった。
(私は……)
どうすべきなのか。
答えは、わかってる気がした。
だけど、やっぱり心許なかったから。
不安だったから。
他のみんながどう思ってるのかを聞きたかった。
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