過去ログ - 藤原肇「実家での夜、隣の部屋には彼」
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20: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2017/04/21(金) 00:26:46.25 ID:jwvtHNfB0

おじいちゃんは「寝る」という一言の後、ご機嫌な足取りで寝室へと消えていきました。

それから私とPさんの会話はちょっとぎこちなくなり、次第に会話が途切れてしまいました。
居間ではテレビの音と、お父さんのいびきだけが響いています。居心地の良い空間に、居心地の悪い沈黙が広がります。
以下略



21: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2017/04/21(金) 00:28:02.98 ID:jwvtHNfB0

「え? ここ、ですか? でも、ここって……」
「そうなのよ。肇の部屋なんだけど、もとは2つの部屋だったからこんな風に分けられるのよ」

上の方でガタガタと音がしていると思ったら、こういうことでした。
以下略



22: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2017/04/21(金) 00:29:22.15 ID:jwvtHNfB0

・・・

そして今に至ります。暗い部屋で布団にくるまった私へと戻ってきました。
今日あった一日を思い返すと、むしろ眼が冴えてしまいます。
以下略



23: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2017/04/21(金) 00:31:31.36 ID:jwvtHNfB0

もとは2つの部屋だったものを、12歳になった私にはあまりに手狭だろうという理由で、間のふすまを取り外して一つの部屋にしました。
おかげで、中途半端に大きな部屋が出来上がりました。
しかし今日は小さかった頃の私の部屋に逆戻り。何だか私も小さくなったような気がします。
学習机や本棚が布団を囲んでいて、今の私にとっては少し窮屈ですが、私の私物の多いこちら側を何としてでも死守しなければなりませんでした。
以下略



24: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2017/04/21(金) 00:32:40.29 ID:jwvtHNfB0

仕方ないのです。
今日という一日が悪いのです。
どの場面を切り取り思い返しても、顔がにやけ、赤くなってしまうような場面しかありません。
特に、縁側で3人でお話をした時のことを思い返すと、悶絶しそうになります。
以下略



25: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2017/04/21(金) 00:33:21.56 ID:jwvtHNfB0

私の大好きな人が、私の大好きな人に認められたのです。
こんなに嬉しいことはありません。

そしてPさんは「むしろ私のような人が」と言ってくれました。
以下略



26: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2017/04/21(金) 00:36:08.97 ID:jwvtHNfB0

ふと、彼の名前を呼びたくなりました。特に理由もありません。

呼んで、彼が応えたところで何かが起こるわけでも、何かをするわけでもないのに。そもそも、彼が応えるかどうかも分からないのに。
でも、私は無性に彼の名前を呼びたくなりました。
以下略



27: ◆kBqQfBrAQE[sage]
2017/04/21(金) 00:38:10.42 ID:jwvtHNfB0
ミスです。
>>26は無視でお願いします。


28: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2017/04/21(金) 00:38:47.02 ID:jwvtHNfB0

ふと、彼の名前を呼びたくなりました。特に理由もありません。

呼んで、彼が応えたところで何かが起こるわけでも、何かをするわけでもないのに。そもそも、彼が応えるかどうかも分からないのに。
でも、私は無性に彼の名前を呼びたくなりました。
以下略



29: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2017/04/21(金) 00:40:21.49 ID:jwvtHNfB0




Pさん。と。
以下略



30: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2017/04/21(金) 00:41:15.08 ID:jwvtHNfB0

しかしいざ呼ぼうとすると、なかなか決心がつきません。
普段から呼んでいる名前なのに、胸を打つ音が部屋中に響かんとばかりに大きく、早く鳴ります。

決心し、いよいよ彼の名前を呼ぼうとした、その時でした。
以下略



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