過去ログ - 電「軍艦と人間、その境界で生きる」
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15: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 21:34:46.91 ID:akTA4kE+0
ある日、お姉ちゃんのそんな姿に居た堪れなくなり、私は声を掛けました。
「なぜ、こんな不真面目な戦い方をするのですか?」
16: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 21:36:10.67 ID:akTA4kE+0
「俺も艦娘に生まれた以上、死ぬなら戦って死にてぇよ」
「それなら……」
17: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 21:37:58.13 ID:akTA4kE+0
私はそのように司令官さんに悪態を付く艦娘を、この時初めて見ました。
艦娘は司令官さんに絶対服従。
18: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 21:40:14.25 ID:akTA4kE+0
「適切かつ、妥当にだ。要は適当でいいんだよ」
困惑する私を思ってか、お姉ちゃんは私の頭に手を乗せて、言葉を紡ぎました。
19: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 21:42:58.63 ID:akTA4kE+0
──────
それ以来、私は行く先々でお姉ちゃんの後を追うようになりました。
20: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 21:44:53.08 ID:akTA4kE+0
「いいかチビ? 俺たちは所詮、兵器で人間様の言いなりだ。だが、海の上では多少なりとも自由は利く。だから、海での立ち回り方には注意しろ」
「海での立ち回り方、なのですか?」
21: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 21:48:13.29 ID:akTA4kE+0
「ええと……気を抜いて戦うって事ですか?」
私の言葉を聞いたお姉ちゃんは、腕を組み、しばらく考えた後に答えました。
22: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 21:49:35.10 ID:akTA4kE+0
生き残る、というお姉ちゃんの言葉に私はうなだれました。
「生き残ると言っても私たちは囮部隊なのです……いくら頑張ってもいつかは……」
23: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 21:51:47.25 ID:akTA4kE+0
しゅんとした表情で言葉を紡ごうとする私に対して、お姉ちゃんは私の頭に上に手を乗せて、いつものように私の髪をぐしゃぐしゃと撫でました。
「チビ、そう悲観するなよ。こう考えればいいんだ」
24: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 21:53:35.80 ID:akTA4kE+0
それから私は、お姉ちゃんが言った事を守りました。
兵器として生まれてきた私たちとしては、この戦い方は間違った戦い方なのかもしれません。
25: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 21:57:52.27 ID:akTA4kE+0
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お姉ちゃんと出会ってから1年近く経った、ある大規模作戦の時です。
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