過去ログ - 鷺沢文香「過去と回顧とこれからと」
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56: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/29(土) 02:10:21.23 ID:tUySYBDI0
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気がつくと、グラスは空になっていた。
「…んじゃ、俺はそろそろ戻るよ。また明日ね、文香さん。」
「待ってください。」
文香さんは俺を呼び止めた。空になっていた筈の文香さんのグラスは、いつの間にか酒で満たされている。
「話があります…どうか、座り直してくれませんか…。」
「あ、うん…。」
促されるまま、俺は再び椅子に座る。と同時に、文香さんはぐいっと、酒を一気に飲み干した。
「!!、ごほっ、ごほ!」
そして、吹き出した。
「ふ、文香さん!」
二十歳になったから、もう飲酒の制限はない…けど、初めての酒を一気に飲んだら誰だってこうなるだろう。というより、文香さんは酒を一気飲みするような人じゃないはずだ。やっぱり、今の文香さんはおかしい。
「だ、大丈夫?どうしてこんな事を…」
「も、申し訳ありません…」
文香さんは近くにあったティッシュで、吹き零したものを拭いている。よく見ると、耳まで真っ赤だ。それは酒のせいか、それとも恥ずかしさのせいか。
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