過去ログ - 鷺沢文香「過去と回顧とこれからと」
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59: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/29(土) 02:13:14.39 ID:tUySYBDI0

失礼ですが、初めは面倒な人に声をかけられてしまったと、そう思ってしまいました。…初めだけですよ。

アイドルというものに興味も関心もなく、話をされても遠い世界の事のように感じました。ですが、会話を重ねるごとに、貴方の話は、私の心を掴んで離さず、とどまり続けました。

以下略



60: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/29(土) 02:14:11.87 ID:tUySYBDI0

初めてのレッスンも、鮮明に覚えています。辛くて、厳しくて、悔しくて。自分に納得も出来ずに、遅くまで無理をしてしまいました。

「あの憧れた姿に近づきたい」…その思いでいっぱいでした。だからこそ、ダメだった自分が、情けなくて情けなくて。

以下略



61: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/29(土) 02:14:49.34 ID:tUySYBDI0

「鷺沢さんが好きなものを、俺も知っておきたいから。」

これが、今まで続く私たちの関係の、きっかけの言葉でしたね。実を言うとかなり困りました。好きな本を他人に薦めたことが、私にはなかったのです。

以下略



62: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/29(土) 02:16:00.41 ID:tUySYBDI0

レッスンと、感想会。新鮮で、心地良い日常。そんな日が、しばらく続いていた時でしたね、貴方が傷だらけになって出社してきたのは。

「…鷺沢さんには本当のこと言っておくと、チンピラに絡まれたんだよ。でも、余り大事にしたくなくてさ、ちひろさんには電話で体調不良って事に…。」

以下略



63: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/29(土) 02:20:21.31 ID:tUySYBDI0

それからしばらくして、初めてのお仕事の話が。…バラエティ番組は、私には出来ないと思いました。出来るわけないと、勝手に不安になって、まだ臨んでもないことに恐れて。

「…とにかく顔を上げて」

以下略



64: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/29(土) 02:20:56.52 ID:tUySYBDI0

初めての成功から、私の日常はめまぐるしく変わっていきました。CDデビュー、ライブ、ドラマ…全てが未知のことで、ついて行くのに精一杯でした。

でもその中で、貴方はいつも変わらず私のそばにいてくれて。新しい世界をどんどん見せてくれて。更に上へ、更に上へと私を導いてくれました。

以下略



65: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/29(土) 02:21:25.57 ID:tUySYBDI0
今回はここまでです。

(押す音)


66:名無しNIPPER[sage]
2017/04/29(土) 11:56:15.42 ID:NNmRh3Zro
乙です


67: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/30(日) 00:57:06.98 ID:JYUonGPx0
再開します。

今回で終われ。


68: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/30(日) 00:59:01.85 ID:JYUonGPx0

・・・

その日、私は翌日に控えた収録についての相談のため、貴方の元を訪ねました。休憩中だと聞いたので、ちょうど読み終わったばかりの本の感想も、そのまま伝えようと、心を踊らせてもいました。

以下略



69: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/30(日) 01:01:03.13 ID:JYUonGPx0

混乱は一切収まることなく。

「…とりあえず、文香ちゃんには絶対に思っていることを言わないでください。私に言えるのはそれだけです。」

以下略



70: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/30(日) 01:02:23.40 ID:JYUonGPx0

それからちひろさんは、これまでのことと、先ほどのことを話してくれました。話すな、と言われても話さずには居られなかったようです。

私に枕営業の話が来ていたこと。貴方がそれを断り、怪我したこと。心配させまいと、それを私に隠すために嘘をついたこと。

以下略



71: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/30(日) 01:03:03.04 ID:JYUonGPx0

話を聞き終えたとき、私は貴方に、ある種の怒りを覚えました。

嘘をついたことにではなく、話してくれなかったことにでもなく。

以下略



72: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/30(日) 01:03:30.20 ID:JYUonGPx0

―――
――


以下略



73: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/30(日) 01:04:25.64 ID:JYUonGPx0

「ひぐっ…ひぐっ…。」

全てを語り終えた文香さんは、鼻をすすり、涙をぬぐう。

以下略



74: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/30(日) 01:05:29.52 ID:JYUonGPx0

・・・

それから、俺たちはこれまでのことを話した。文香さんの本音も、俺の本音も、一緒にして。

以下略



75: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/30(日) 01:05:58.12 ID:JYUonGPx0

・・・

「…でも、まさか文香さんが俺の事ねぇ……。」

以下略



76: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/30(日) 01:06:53.82 ID:JYUonGPx0

・・・

一夜明けて。

以下略



77: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/30(日) 01:07:24.54 ID:JYUonGPx0

ここまでです、お付き合いいただきありがとうございました。

本当に美しいよ…鷺沢文香。
君ほど目隠れが素晴らしいアイドルはいない。
以下略



78: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/30(日) 01:12:16.35 ID:JYUonGPx0

元ネタ→
「宇宙飛行士への手紙」
https://www.youtube.com/watch?v=x6pzZ_IGQAg

以下略



79:名無しNIPPER[sage]
2017/04/30(日) 11:43:04.37 ID:TdVOOqyDo
乙です


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