過去ログ - ヘレン「ほたる、宇宙に行きましょう!」 ほたる「へ?」
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7: ◆jsQIWWnULI
2017/04/25(火) 17:42:51.02 ID:lIJO8+9p0
追いかけていると、事務所が見えてきました。

「ふう…」



8: ◆jsQIWWnULI
2017/04/25(火) 17:43:45.45 ID:lIJO8+9p0
私は追いかけるのをやめ、一息つきます。
炎天直下の中での小走りはさすがに疲れました。
けど、久しぶりに小さいころのように楽しく遊べましたし、暑い外から入った時の涼しいクーラーは最高に気持ちがいいことを私は知っています。
あの涼しさを考えて、うきうきしながら自動ドアを通り抜けると…。
自動ドアを通り…、通り抜け…、抜け…?
以下略



9: ◆jsQIWWnULI
2017/04/25(火) 17:44:21.10 ID:lIJO8+9p0
“このたび、弊社は倒産しました。タレント及び従業員の方々には御迷惑をおかけしました”


10: ◆jsQIWWnULI
2017/04/25(火) 17:45:04.96 ID:lIJO8+9p0
黒いマッキーで雑に書かれたそのへたくそな文字列は、クーラーなんかなくても私を十分すぎるほどに冷やしてくれるものでした。


11: ◆jsQIWWnULI
2017/04/25(火) 17:45:55.00 ID:lIJO8+9p0
私は、現実を受け入れたくないからか、しばらくの間事務所、もとい元事務所の自動ドアに貼られた紙を見つめていました。
そして、やはり納得できずに、何を思ったか、自動ドアをさっきと同じように手で開けようとしました。
ドアの真ん中にあるすき間に両手の指をいれて、両腕に力をいれて、

「せーのっ!」
以下略



12: ◆jsQIWWnULI
2017/04/25(火) 17:47:40.35 ID:lIJO8+9p0
「そこの君!」

「ひゃうん!?」

ドアを開けようとした瞬間、いきなり声をかけられて変な声が出てしまいました…。
以下略



13: ◆jsQIWWnULI
2017/04/25(火) 17:48:25.63 ID:lIJO8+9p0
「ち、違うんです!不法侵入しようとしていたんじゃなくて…ええっと、なんていうか、とにかく違うんです!」

「うん?」

「…ほえ?」
以下略



14: ◆jsQIWWnULI
2017/04/25(火) 17:49:00.06 ID:lIJO8+9p0
私に声をかけたであろう人は、立派な警察服を着ているかと思いきや、くたびれてよれよれになったスーツを着た男の人でした。

「…えっと、不法侵入?」

余計なことを言ってしまったでしょうか?あわてて誤解をとこうとします。
以下略



15: ◆jsQIWWnULI
2017/04/25(火) 17:49:39.92 ID:lIJO8+9p0
「ち、違います。私は個々の建物の中にあった事務所に所属していたもので…。でも、その事務所が破産して、それで…。」

言葉がつながりません。口の中が乾いていきます。さっきまでかいていた汗が引いていました。



16: ◆jsQIWWnULI
2017/04/25(火) 17:51:22.26 ID:lIJO8+9p0
「うーんと、詳しいことはよくわからないけど、とりあえず君の所属していた事務所がつぶれてしまって、今、君はフリーの状態ってことで良いよね?」

てっきり怒られるんじゃないかと思っていた私には、予想外の言葉が返ってきました。
本当に予想外でびっくりです。



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