過去ログ - ヘレン「ほたる、宇宙に行きましょう!」 ほたる「へ?」
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64: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:41:33.92 ID:lIJO8+9p0
「今シートベルトを外すわ。そしたら宇宙服に着替えましょう。」

「は、はあ…?」

ヘレンさんにシートベルトを外してもらうと、身体が浮き上がりはじめました。
以下略



65: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:42:59.62 ID:lIJO8+9p0
無事に宇宙服と命綱を着終わり、射出ポットに立ちます。

「準備は良いかしら?」

「…はい…」
以下略



66: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:43:52.77 ID:lIJO8+9p0
『…10…9…8…』

射出までのカウントダウンが始まりました。目の前の壁が開いていきます。

『…3…2…1 ,GO‼』
以下略



67: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:44:43.64 ID:lIJO8+9p0
「はへー」

思わず変な声が漏れだしてしまうくらい宇宙空間は変な感覚です。

しばらく宇宙をぼうっと眺めていると、青いものが見えてきました。
以下略



68: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:46:20.15 ID:lIJO8+9p0
「あっ、地球…」

見惚れてしまうほどにきれいです。雲の白と海の青のコントラストが目まぐるしいスピードで地球を塗り替えていきます。
いつも見ているはずの空であるはずなのに、どうしてこんなにもきれいなんでしょうか。
…いつも見ていたでしょうか?ふとレイナさまや幸子さんの言葉がよぎります。
以下略



69: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:47:01.33 ID:lIJO8+9p0
「ほたる」

いきなり呼びかけられてびっくりした私は、宇宙服に内蔵されたスピーカーから声が聞こえているのにもかかわらず、後ろを振り返りました。



70: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:47:50.59 ID:lIJO8+9p0
「あまり勢いよく振り返ると何回転もするわ。」

私の肩をつかみながらヘレンさんが言います。

命綱が絡まないように別々の方向に射出されたはずのヘレンさんは、いつの間にか私の背後に来ていたようです。
以下略



71: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:48:39.94 ID:lIJO8+9p0
「どう?宇宙は。」

ヘレンさんがたずねてきます。

「すっごくすっごく大きくて…私なんか本当にちっぽけだなって…」
以下略



72: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:49:46.02 ID:lIJO8+9p0
「ほたる、私たちは出来るわ。アイドルとして。歌を、お客さんの声援を、熱気を、心を、笑顔を、届けることが。宇宙にまで。だからまずは、あなたが笑うのよ。」

「…笑う…?」



73: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:51:34.23 ID:lIJO8+9p0
「そう、笑うの。

「あなたに

「私たちに
以下略



74: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:52:08.21 ID:lIJO8+9p0
ヘレンさんの言葉は続きます。


75: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:52:57.86 ID:lIJO8+9p0
「そしてほたる、一緒に笑いましょう。

「あなたと

「私たちと
以下略



76: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:53:48.21 ID:lIJO8+9p0





以下略



77: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:54:27.49 ID:lIJO8+9p0
「それよりもP、これ」

ヘレンさんは、懐から何か紙のようなものを取り出すと、プロデューサーさんに渡しました。

「なにこれ?」
以下略



78: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:55:20.26 ID:lIJO8+9p0
「だから、領収書。」

「なんの?」

「ロケット代よ。」
以下略



79: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:55:47.73 ID:lIJO8+9p0
「はぁ!?………嘘だろおい!宇宙旅行ってこんなにするの!?今21世紀でしょ!?ちょっと何してくれちゃってんのヘレン!」

プロデューサーさんの絶叫が響きます。



80: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:56:25.01 ID:lIJO8+9p0
「絶対にこんなの経費で出さないからな。」

「なぜ?必要経費よ?」

「んなわけあるか!むしろよく出ると思ってたな!?」
以下略



81: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:58:25.81 ID:lIJO8+9p0
「…とりあえずちひろさんに見せてからだな。」

「いやよ。それはP、あなたの仕事のはずよ。」

「なっ!ぜっっっっっったいにやだよ。ちひろさんに殺されたくないもん。ていうか、これじゃあ殺されるじゃすまないぞ、これ。」
以下略



82: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 18:59:37.81 ID:lIJO8+9p0
二人のリズミカルなやり取りを見て、地球に帰ってきたんだなって思うと、不思議と笑みがこぼれてきました。
まだやり取りを続けている二人の後ろについていきながら、上を向いてみました。
そこには、見慣れているはずでいて見ていなかった青空が広がっていました。
聞こえるのかな、私の笑い声。届くのかな、私の笑顔。
今はまだ全然小さい私だけど、それでも、いつか。
以下略



83: ◆jsQIWWnULI[sage saga]
2017/04/25(火) 19:06:17.55 ID:lIJO8+9p0
これで終わりです。

ほたるが落とした鉢植えを洋子さんがキャッチする話は劇場の第102話にあるのでぜひ読んでみてください。

そのついでで良いので、ぜひ今回出てきたアイドルに投票してあげてください!
以下略



84:名無しNIPPER[sage]
2017/04/26(水) 08:39:40.36 ID:PkjeDE9So

スラスラ読めて面白かった


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