過去ログ - 小日向美穂「瞳を閉じないで、歩みを止めないで」
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11: ◆XUWJiU1Fxs[sage]
2017/04/27(木) 22:42:56.70 ID:XPJyqG6Wo
「うぅ……」

「お疲れ様、美穂。可愛かったよ。先方も今日のステージを気に入ったみたいで、また来て欲しいって言ってもらえた。やったな」

 プロデューサーさんとの地道な営業活動の結果、アイドルとしてのデビューイベントが決まりました。ショッピングモールの屋上でのトークイベント――緊張しいな私にとってはまさに試練と言っても差し支えなかったでしょう。

 イベントとしての規模は大きなものではないですが、緊張して話せなくなる未来は容易に想像できます。だから私はプロデューサーさんや卯月ちゃんを相手に特訓しました。だけど……。

「可愛いって言われるのは嬉しいですけどっ、ちゃんと話せませんでした……悔しいです」

「そっか」

 プロデューサーさんや卯月ちゃんは私にとって、既に他人ではなかったんです。だから緊張することもなく会話ができる。だけど見に来てくれた人は皆知らない人で、今日初めて私というアイドルを知った人もいるでしょう。そんな一期一会のステージだったのに、私は緊張して自分の持ち味を出せませんでした。

「今日来た人たちには、緊張しいなところしか見せていないです……」

「だけど確かに小日向美穂、って女の子のことを刻み込めたはずだよ。そうだな、次はもっと堂々とした姿を見せられるように頑張ろう。特訓ならまた付き合うからさ」

「ありがとうございます。でもっ! 今度は手加減しないでくださいっ、その、プロデューサーさんと一緒だって思うと安心しちゃうから……」

 アイドルとしての最初のお仕事は苦い思い出が残りました。



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