11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/02(火) 01:17:07.20 ID:XLaamDOK0
大男はのそりと箒を取り、前屈みになりながら器用に花弁をちりとりへ乗せて行く。
一通り履き終わった後、ちりとりの上に山盛りになった花弁と……可燃ゴミとペットボトル、コーヒの空き缶で山を作っているゴミ箱を見比べて、眉間に皺を作った。
「これ、当番は君だよね?」
大男はその大して仲良くもない女子生徒に言った。
「後で行くから待っててよ!今忙しいの!」
大男は思わず鼻で笑ってしまった。
「なに?文句あるの?」
しまった。
つい表に出てしまった。
「……いや、まあ前回も前々回も人に僕が行ってるから、その……ちょっとおかしくて」
大男は知っている。
その大して仲良くもない女は忙しいこの季節、連日友達やサークル仲間と飲み歩き、毎日講義中寝ていた事を。
驚くべきなのは研究室に来て、教授の、その眼前ですぅすぅと寝息をたてていた事だ。
そういった積み重ねでこの女はいわゆる課題をギリギリまで放置したのだ。
「……行けばいいんでしょ!行けば!」
「そうだね。頼むよ。ついでに、前回前々回と僕が行ってるから次回と、その次も」
ドスンドスンと大きな足音を立てながら、その大して仲良くもない女子生徒は袋の山の部分を綺麗なネイルをした手で押さえつけて、袋ごと引っ張り出した。
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