過去ログ - 超能力戦争から逃げて異世界に来てしまった【キャラ募集安価】
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107:名無しNIPPER[saga]
2017/05/06(土) 19:06:45.76 ID:++Gf/xpS0

 船に近づくと、ますますリマルは不安になった。

 船は所々補修されていたが、そのやり方が素人でも付け焼刃だと分かる代物だったからだ。

「不安になるのは分かりますが、隣の船よりは安全ですよ」

 と、ミリアリアは隣の豪華客船を指差した。

「おいおいおいおい、ボロ船の乗船客が何か言ってるぜ」
「ほほほっ! お金がないからって僻んじゃって!」
「お前らなんて海の魚の餌にしかならねぇんだよ!」

 奴隷を買いつけに来ていた貴族達が口々に悪態を吐いた。

 ミリアリアは悪態を全く気にせず、むしろ憐れんだ様子で、

「どの船に乗ろうと自由ですが、命は大事にしてください」

 と言った。貴族達の顔が真っ赤に染まる。

「ふん! 船長にお前達と同じ航路を辿るように言ってやる!」
「沈む所を見て笑ってやるんだから!」
「後で助けを求めても無駄だからな!」

 捨て台詞を吐いて豪華客船に乗る貴族達。

 ミリアリアの言葉を不思議に思った龍矢が尋ねる。

「なんであっちの方が危ないんだ?」
「……船も人間と同じだから、ですよ」

 ミリアリアはそれだけ言葉にすると、ボロ船へと乗船した。

「行ってきます。お父さん、皆」

 リマルが後に続き、最後に残った龍矢はテレパシーで、

『ヴァンさん、アンナさん、ルバーサ、ありがとうございました』

 と、お礼を発信した。彼らからの返信はないだろう。それどころか二度と会えないかもしれない。

 だが、それが自分の選んだ道なのだと言い聞かせる龍矢。




 船旅が始まる。




 第一話「出会いと別れ、そして出会い」 完


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